2024.07.06

CARS

BMW M5もついにハイブリッドで電動化 システム総合出力はシリーズ最強の727ps

最新のBMW5シリーズ・セダンをベースとする新型M5が、このほどドイツ本国でリリースされた。M5としては7代目となる新型は、プラグイン・ハイブリッド機能を備えたM5初の電動パワートレインが搭載される。

Mならではのエクステリア

エクステリアは、「M」モデルならではのデザインにより、表情豊かな外観を備えている。掘りの深さを感じさせるフロント・エンドをはじめ、大きく張り出したホイール・アーチ、Mモデル特有のCピラー・デザインにより、ベースの新型5シリーズ・セダンとの明確な差別化が図られた。また、ホフマイスター・キンクにエンボス加工された「M5」ロゴ、イルミネーションが施された「Mキドニー・アイコニック・グロー」なども目を惹く。

新型M5は、先代よりもホイールベースが大幅に延長され、トレッドも拡大している。エンジン・マウントとリア・アクスル・サポート・マウントの剛性向上も盛り込まれた。リアまわりには、専用のストラット・ブレース、フロント・エンドにはタワー・トゥ・バルクヘッド・スティフニング・プロファイル、タワー・トゥ・フロントエンド・ストラット、そのほかのブレース・エレメントが備わる。さらに、オプションのカーボン・ルーフを選択すれば軽量化をさらに進めることが可能だ。



M専用装備を満載

インテリアは、新しいMレザー・ステアリング・ホイールとMマルチファンクション・シートによる先進的なスポーツカー・コックピットが見どころ。お馴染みになっているBMWカーブド・ディスプレイには、M専用コンテンツが表示される。さらに、標準装備のメリノ・レザー・トリム、BMWインタラクション・バー、M専用のインテリア照明(ウェルカム・アニメーション付)、パノラミック・ガラス・サンルーフが醸し出す特別なキャビンも魅力になりそうだ。

快適装備では、4ゾーン・エアコンをはじめ、フロント・シート・ヒーター、アンビエント照明、「バウワース& ウィルキンス・サラウンド・サウンド・システム、ワイヤレスチャージング、コンフォート・アクセス、電動(ハンズフリー)テールゲート、充電ケーブル・プロフェッショナルなどを専用装備する。



4.4リッターV8ツインターボ+モーター

4.4リッターV8ツインターボとモーターが組み合わされた専用の「Mハイブリッド・システム」は、最大585㎰(430kW)/750Nmのエンジンと197㎰(145kW)/280Nmのモーターから構成されている。システム総合出力は727ps(535kW)/1000Nm。0-100km/h加速を3.5秒でクリアする。

最新の4.4リッターV8ツインターボは、最先端のMツインパワー・ターボ・テクノロジー、クロスバンク・エグゾースト・マニホールド、最適化されたオイル・セパレーションを搭載。さらに、サーキット走行に最適化された冷却システムとオイル供給システム、電動制御フラップと特徴的なデュアル・テールパイプを備えたスポーツ・エグゾースト・システムもその走りを支えている。



67~69kmのEV走行も可能

トランスミッションに統合されたMモデル専用モーターは、独自のプリギアリング・ステージにより、トランスミッション入力時のモーター実効トルクを最大450Nmまで向上させている。8段ATは、3つのシフト・プログラムが用意され、新しいセレクター・レバーとパドル・シフトで操作が可能になっている。

駆動用バッテリーは、18.6kWhの高電圧バッテリーが採用され、WLTPサイクルで67~69kmの航続距離を実現する。充電機能は、最大7.4kWの交流充電が標準装備されている。



2WDモードも継続搭載

進化した全輪駆動システムのM xドライブとリア・アクスルのアクティブMディファレンシャルの搭載も見どころだ。Mディファレンシャルは、走行モードの切り替えができるMセットアップ・メニューで選択可能な「4WD」、「4WDスポーツ」、「2WD」という3つのモードが設定され、姿勢安定制御装置の「DSC」(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)をオフにして後輪にのみ駆動力を配分することもできる。ローンチ・コントロールは、M xドライブ・システムの2WDモードを除くすべてのMセットアップ設定で、最適なトラクションと最大限のダイナミックな加速をもたらすという。

「Mハイブリッド」スイッチにより駆動システムの動作モードを最大5つまで選択できるのも特徴。選択したモードに応じて、エンジンとモーターが制御される。なお、「エレクトリック」モードでは、140km/hまでのモーター走行が可能で、「eコントロール」モードでは、効果的なブレーキ回生とバッテリーの充電量を一定に保つことができる。



可変ダンパー+後輪操舵

シャシーでは、電子制御ダンパー付きのアダプティブMサスペンションと後輪操舵のインテグラル・アクティブ・ステアリングが標準装備されている。そのほか、2種類のペダル・フィーリングとレスポンスを設定できる統合ブレーキ・システムも採用している。オプションでMカーボン・セラミック・ブレーキが設定され、フロントが20インチ、リアが21インチになるMライト・アロイ・ホイールも用意する。

コネクティビティ、ユーザーインターフェイスでは、BMWオペレーティング・システム8.5をベースにアップグレードされたBMW iドライブの搭載がトピックス。BMWライブ・コックピット・プロフェッショナルとして、BMWヘッドアップ・ディスプレイ、BMWマップ・ナビゲーション・システムなどが標準装備される。音声認識のBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントとタッチパネル式のBMWカーブド・ディスプレイにより、自然な発話もしくは、タッチ操作で直感的な操作性を実現したという。

そのほか、BMW IDやMy BMW Appを使ったパーソナライゼーションも可能で、Apple CarPlay、Android Autoに対応したスマートフォンとの統合やパーソナルeSIMも使用できる。

最先端の先進安全装備も充実していて、運転支援と自動駐車用の多彩なシステムを用意。前面衝突警告、車線逸脱警告、回避支援、速度制限情報、手動式速度制限アシスト、さらにパーキング・アシストとリバース・アシスト、リバース・アシスト・カメラを標準装備。また、ドライビング・アシスタント・プロフェッショナルには、ステアリング&レーン・コントロール・アシスタント、アダプティブクルーズコントロール、自動スピード・リミット・アシスト、信号検知機能、アクティブ・ナビゲーションなどが用意される。

2024年7月に英国で開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」でワールドプレミアされ、生産開始2024年7月、全世界での発売は2024年11月の予定になっている。なお、新型M5ツーリングもラインアップに追加され、2024年11月に生産、発売が開始される予定だ。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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