2024.06.26

WATCHES

前代未聞のシャネルの時計! 腕の上ではハサミを持ったマドモアゼル シャネルがお仕事中 世界限定100本、3872万円!!

エンジン時計委員 野上亜紀 のイチオシ「シャネル J12 クチュール ワークショップ オートマタ キャリバー 6」

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2020年春にスタートした世界最大級の時計見本市が「ウォッチズ&ワンダーズ」。開催5回目となる今年は、ジュネーブの会場に過去最多の54ブランドが集結した。各メゾンが“時計の祭典”でお披露目した入魂の看板モデル、数々の新作の中からエンジン時計委員の心を揺さぶったモデル8本を、熱いコメントとともにご紹介! エンジン時計委員の野上亜紀のイチオシはこの時計だ!

エンジン時計委員 野上亜紀 のイチオシ「
シャネル J12 クチュール ワークショップ オートマタ キャリバー 6」

ダイアルにシャネル自身と、カンボン通りのクチュールのアトリエを描く最新作は、8時位置のボタンを押すとオートマタ機構によってマドモアゼルとハサミ、トルソーがアトリエの中で仕事を始め、アニメーションが約20秒間続く前代未聞の仕組み。手巻き。72時間パワーリザーブ。直径38mmのケースは高耐性マットブラック セラミック、ホワイトゴールド製ケースバック、ダイヤモンドベゼル。50m防水。世界限定100本。参考価格3872万円。

超精密なオートマタ機構を搭載する初のムーブメント「キャリバー 6」はスイスのシャネル自社工房で設計および組立てを行った。


手に取り見つめるだけで幸せな気持ちになる

最近、ジュエリーに見られるような夢あふれる物語を、最先端の時計技術を用いて、タイムピースへと反映するブランドが増えてきた。その代表的なメゾンといえるのが、シャネルではないだろうか。今年のウォッチズ&ワンダーズの最新作となる、新自社開発ムーブメント「キャリバー 6」搭載のオートマタ・モデルもその表れである。8時位置のボタンを押すとハサミを持ったマドモアゼル シャネルやトルソーが腕の上で動くさまは、実に楽し気で、軽快。メゾンの根幹となるクチュールの伝統を、かようにもチャーミングに、そしてユニークに表現したセンスが見事だ。風刺画を思わせるキャラクターのタッチも、様々な文化人と交流が深かったマドモアゼルが生きた時代の活気や、自由な世界観を感じさせるもの。シャネル、そしてパリのエスプリを、最先端の機構とともにぎゅっと詰め込んだ最新作。手に取るだけで、見つめるだけで、幸せな気持ちをもたらすに違いない。

文=野上亜紀


(ENGINE2024年7月号)

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