2024.06.15

CARS

ランボルギーニ・ウルスのPHEV、「SE」が日本上陸 800psのスーパースポーツSUV

2017年に発表されたランボルギーニ初のSUV、「ウルス」に追加されたプラグイン・ハイブリッド(PHEV)、「ウルスSE」の日本初お披露目が行われた。

4.0リッターV8ツインターボ+1モーター

SEに搭載されるパワートレインは、内燃機関モデルの「ウルスS」と同形式の4.0リッターV8ツインターボに1基のモーターを組み合わせている。エンジンの出力は、最高出力620ps(456kW)/最大トルク800Nm、モーターの192ps(141kW)/483Nmを発生し、システム総合最高出力は800ps(588kW)で、最大トルクは950Nmに達する。



0-100km/hを3.4秒

永久磁石同期式モーターは8段AT内に、また容量25.9kWhのリチウムイオン電池をラゲッジの床下と電子制御リア・デファレンシャルの間に配置される。EVモードでは100%電動で4輪を駆動。航続距離は60km以上となっている。

走行性能は、0-100km/h加速を3.4秒(ウルスSは3.5秒)でクリアし、0-200km/h加速は、11.2秒(ウルスSは12.5秒)、最高速は312km/h(ウルスSは305km/h)に到達する。



PHEV専用の走行モードを追加

走行モードは、コンソール中央にある「タンブロ」と呼ばれるセレクターから選択が可能、内燃機関モデルと同じ6種類のドライビング・モードに、PHEV専用の4つの新しい「エレクトリック・パフォーマンス・ストラテージ」(EPS)が加わった。ドライビング・モードは、「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」「ニーヴ」、「サッビア」、アスファルト舗装ではない路面グリップ用の「テラ」。EPSは、「EVドライブ」、「ハイブリッド」、「パフォーマンス」、「リチャージ」を用意する。

「EVドライブ」にすると、電動駆動が最大化され、街中での走行に適するように調整され、先述したようにEV航続距離は60km以上で、最高速度は130km/h。130km/hを超えると、V8エンジンが自動的にモーターをサポートする。モーターの能力を超えるトルクが必要となる場合も同様だ。

「ストラーダ」モードで走行中に選択できる「ハイブリッド」は、内燃エンジンとモーターを最適なバランスで使いながら、効率性と快適性を両立する日常走行に適した最も汎用性の高い設定となる。「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」、「ニーヴ」モードで選択できる「リチャージ」では、最適なパフォーマンスを維持しながら、バッテリーを最大80%まで充電できる。

「パフォーマンス」は、「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」、「ニーヴ」モードで選択が可能。「サッビア」、「テラ」モードでは、ラフロードやオフロードなどのアスファルト路面以外で高いパフォーマンスが体感できるという。さらに、「スポーツ」では、新型トランスミッションの特性が強化され、ドリフト走行がスムーズにできるようになる。サーキット走行専用の「コルサ」にするとクルマのポテンシャルが最大限に発揮される。



電動トルクベクタリングを初搭載

走行モードによってサスペンスのECUでシャシーを制御。可変ダンパーや48V電力システムで操る可変式のアンチロール・バーをコントロールすることで、サーキットのコーナーや荒れた路面、低ミュー路などでの安定性とレスポンスを大きく高める。「ニーヴ」、「サッビア」、「テラ」モードのいずれも最適化されていて、路面を問わず最高のトラクションが得られ、高いロードフォールディング性能を発揮する。

ウルスSEで初めて搭載される電動トルクベクタリング・システムも注目ポイントだ。前後輪に駆動トルクを継続的に可変配分する電気油圧式マルチプレー ト・クラッチにより、走行中にオーバーステア状態をつくり出すことで、ピュア・スーパースポーツのようなドライビリティが得られる設定も備える。



エアロダイナミクスを最適化

エクステリアは、デザインの再定義とエアロダイナミクスの最適化が反映されている。バンパーとフロント・グリルが新しくなったフロント・マスクは、新たに採用されたフローティング・ボンネットをはじめ、マトリックスLEDテクノロジーが盛り込まれたヘッドライトが目を惹く。リア・ディフューザーも刷新され、低く配置されたライセンス・プレートも新しく、リアのメッシュは、ガヤルドなどのスーパースポーツカーから影響されたデザイン要素が盛り込まれている。

また、テールゲートのデザインも見直され、ガヤルドから着想を得たという一体型のデザインを採用。テールランプのクラスターに「Y」字型ライトとリア・ディフューザーをつなげた新しい造形を用意し、スポーティな後ろ姿をつくり出している。

このディフューザーは、新型のスポイラーと相まって、高速走行時にはウルスSよりもリアのダウンフオースが35%増し、車両の安定性に寄与する。さらに、ボディ底部にエア・ベントを新たに備えることで、改良されたエアダクトなどにより空気の流れを改善。エンジンの冷却性能も向上した。加えて、フロント部分のアンダーフロアも新しくなり、ブレーキ・システム専用のエアフローの改善により、空気冷却性能が従来のシステムと比べて30%向上している。



メーターのグラフィックを刷新

インテリアも刷新された。ダッシュボード中央に配される大型ディスプレイとメーターディスプレイはともに12.3インチを採用。タッチ式センターディスプレイは、「レヴエルト」と同様にグラフィックが新しくなり、直感的に操作できるユーザーインターフェースにアップデート。デザインや加飾の面では、特徴的なエア・ベントをはじめ、「Y」字を描くアルマイト加工が施されたアルミニウム・トリム・エレメント、パネル、シート、ダッシュボード用の新しいカバーリングも特徴で、機械式のプッシュボタン・スイッチは操作性を向上させた。

多彩なオプションも見どころだ。足元には、23インチの「ガランサス」(Galanthus)リムを備える新設計のアルミホイールが設定され、標準装備となる新型ピレリPゼロ・タイヤと組み合わされている。サイズは21インチから23インチまで揃い、快適性やスポーティさなどのニーズに応える3タイプが設定されている。また、ウインターシーズン向けとして、同じくピレリ製のスコーピオン・ウインター2も控えている。

ボディ・カラーの選択肢も拡大し、発表時点では100タイプから選択可能。内装では、47色の豊富なカラーの組み合わせと4種類のステッチが設定され、オーナーだけのウルスSEに仕上げることができる「アド・ペルソナム」プログラムも用意される。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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