2024.06.26

CARS

ヤフオク7万円で買ったシトロエンのオーナー、エンジン編集部ウエダ、フランスの聖地で歴代シトロエンたちや希少なコンセプトカー群と出会う!【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#40】

シトロエンの博物館、コンセルヴァトワールの入口すぐ左手に並ぶコンセプトカーたち。観音開きのドアを持つ赤いクーペがお目当ての“アクティバ”だ。後方にはデザイン検討用のモックアップの並ぶ大きな棚が見える。

全ての画像を見る
まさかこんなことになるとは、夢にも思っていなかった。とても残念だが、2024年6月29日をもって、フランス・パリ郊外にあるシトロエンの博物館、シトロエン・コンセルヴァトワールは閉館になる。そこで今回のリポートは、昨年エグザンティア・アクティバのオーナーによる30周年ミーティングに参加した時の模様とともに、非常にレアな、もう当分見ることの叶わないシトロエンの歴史を語る上で非常に重要なクルマたちと、エグザンティアにまつわる様々な車両やコンセプトカーたちについて、じっくりご紹介していこう。

予兆はあったかもしれない……

振り返ってみれば、僕が訪れた2023年の春には、すでにそういう気配が漂いはじめていたのかもしれない。それまでもシトロエンの博物館、通称コンセルヴァトワールの閉館の噂は何度もあった……。



コロナ禍が閉鎖の1つの要因になったことは間違いない。とはいえ世の中が落ち着きを取り戻しはじめていた2023年の春頃は、1年365日すべてが開館している、というほどオープンではなかったけれど、それでも気軽に1名分だけでも、ウェブサイトから入館予約を取ることができた。

それが2023年後半には、15人以上の団体客以上でしか予約は取れなくなってしまう。開館日数も、非常に限られたものになっていった。少しずつ、そして着々と、コンセルヴァトワールは閉館への道を進んでいたのだろう。今となっては、この時訪れることができてよかったと、心から思う。

コンセルヴァトワールのある場所、つまり、オルネー・スー・ボアのかつてのシトロエン工場跡の敷地はすでにステランティス・グループの手にはなく、土地契約の満了に伴い、コレクションの公開はされなくなる、とアナウンスがされている。そして240台の歴史的価値のある車両たちは、少なくとも3、4年は移設のため、保管されることになる。

博物館の閉鎖と聞くと、その昔、イタリア・トリノにあるカロッツェリア・ベルトーネの小さなミュージアムに行って、ストラトス・ゼロをはじめ、希少なコンセプトカーを飽きずにずっと眺めていたことを思い出す。ベルトーネはその後、一気に経営が傾き、ミュージアムはクローズ。コレクションは売却され、すべて離散してしまった。ステランティス・グループがシトロエンのヘリテイジをどう活かしていこうと考えているのか、今後の動きを注視したい。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement