2024.07.16

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パテック フィリップは旅時計も超複雑時計も革新・進化を続ける! シンプルで主張しない「クワイエット」なデザインにもトレンド感

腕時計は身に着ける場所やライフスタイル、好みに合わせて、選択肢の幅がますます広がっています。そんな多様性の時代の時計界をリードする各ブランドの“いま”を体現するトップランナーたちを、エンジン時計委員会の8人に熱いコメントで推してもらいました! オリンピックイヤーの2024年に手に入れたい1本を、『夏の時計大特集』で見つけてください。

パテック フィリップは“伝統と革新”のトップランナー 
今年のパテック フィリップのテーマカラーである若々しいブルーグレーと味わい深いローズゴールド。メカニズムのみならず色でも“革新の伝統”は続く。

01 エンジン時計委員 髙木教雄、柴田 充の推し!
アクアノート・トラベルタイム 5164

旅行に便利なローカルとホームの2タイムゾーン表示を併せ持つ人気の「アクアノート・トラベルタイム」に初めてホワイトゴールド・バージョンが登場した。スポーティなデザインを引き立てるのは爽やかなブルーの彩り。アイコニックなアクアノート・パターンを配したブルーグレーのオパーリンダイアルや、ダイアルとトーンを合わせたコンポジット・バンドがホワイトゴールドに映えて軽快な印象をもたらす。自動巻き。ケース径40.8mm(10-4時方向)、3気圧防水。998万円。



『クレバーな機構と設計』 髙木教雄(時計ジャーナリスト)
斬新な複雑機構は見ていて楽しいが、それよりもクレバーな仕組み、設計に個人的には興味がそそられる。まだ知識が浅くマルチタイムゾーン=24時間GMTと思っていたころ、トラベルタイムを初めて見た際、不要な時には2つの時針が重なってダイアルが整理されることに思わず「アッタマいい」とつぶやいていた。インライン永久カレンダーは、曜日・日付・月表示の最適解である。さらに一般的な48ヶ月カムではなく、12ヶ月カムと閏年カムを連携させた賢い設計に「ウーン」とうなった。ムーブメントの仕上げは、いずれもパテック フィリップらしく完璧だが、特にインライン永久カレンダーCal.31-260PS QLのフィンガーブリッジに、強く心が引き寄せられる。

『今日、この瞬間』 柴田 充(時計ライター)
15年近く前、パテック フィリップの現社長ティエリー・スターン氏が「バイクに乗る時、アクアノートは最高だよ」とハーレーに跨がっている写真を見せてくれた。以来それは羨望のバイカーズウォッチになった。トラベルタイム機能を備えたいまもブルーグレーが似合う若々しさを失わず、いつかはこれを腕にしてバイクをかっ飛ばしたい。永久カレンダーのヴィンテージイヤーになった今年、その先鞭をつけたのが2021年に登場したRef.5236Pだ。曜日、日付、月が並んだ新世代のデジタル表示は、新色のローズゴールド文字盤とも調和する。針は円運動を繰り返すだけだが、その表示は今日この瞬間にしか存在しない時であることをあらためて印象づける。

02 エンジン時計委員 篠田哲生、野上亜紀の推し!
インライン永久カレンダー 5236P

12時位置の窓に左から曜日・日付・月が一直線に並び、ひと目で情報が読み取れるパテック フィリップ特許のインライン表示永久カレンダーに新たにヴィンテージモデルから想を得たローズゴールド・オパーリンダイアルを採用。ホワイトゴールドをアンスラサイトで彩った針やインデックスがローズゴールドに映え、グラデーションのブルーダイアルを配した同モデルとは対照的にクラシカルな味わいが際立つ。自動巻き。プラチナ、ケース直径41.3mm、3気圧防水。2239万円。



『クワイエット・ラグジュアリーな時計たち』 篠田哲生(時計ジャーナリスト)
久しくハイブランドの洋服を買っていなかった。それはどうしてもロゴの主張が苦手だったから。しかしクワイエット・ラグジュアリーという言葉とともに、シンプルで主張しない静かなアイテムが増えており、次シーズンからは買い物が楽しめそうだ。同様に高級時計の世界でも、クワイエットな時計に目が行く。デザイン要素を徹底的に引き算した「インライン永久カレンダー 5236P」は、永久カレンダーには見えないシンプルなデザインが、逆に新鮮だ。スポーティに見える「アクアノート 5164」だが、トラベルタイム機構を搭載しケース素材はホワイトゴールド。カラーリングも控えめで、クワイエットな魅力がある。さり気なくいいもの。それが気分だ。

『絶妙な色彩に成熟の遊び心を感じる』 野上亜紀(時計&宝飾ジャーナリスト)
最近のパテック フィリップでは、こうしたニュアンスカラーの文字盤が見逃せない。新たにローズゴールドカラーとなったのは、Ref.5236P。2021年に登場した、インライン日付表示の永久カレンダーだ。前作がブルーダイアルで精悍な印象を持っていたのに対し、今作では味わい深いタッチに。革新的な技術を、ヴィンテージライクに楽しむことができるという点が実によい。またアクアノートのトラベルタイムを彩ったのはブルーグレー。こちらもどんなスタイルにも合わせやすい色味で、ワードローブに制限のある旅先でもきっと活躍するだろう。装いの愉しみを広げてくれるような色彩の展開は、やはり名門ならではの遊び心といえるものではないだろうか。


問い合わせ=パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター Tel.03-3255-8109

写真=近藤正一

(ENGINE2024年8月号)

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