2023.11.17

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「身に着ける人をトップクラスの時計愛好家に引き上げる」実はものすごいパテック フィリップ 日本で初公開されたその超複雑機構とは?

東京2023リミテッド・エディション

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ここまでやるか!? 複雑時計、最前線! 技術的な探究をし尽くした複雑時計はどこへ向かうのか。その答えのひとつがアートピースとしての可能性だ。雑誌エンジンの時計委員会は、高度な複雑時計を芸術作品として表現するさまざまなアプローチに注目。今回は、技術面でのアプローチから超複雑で希少なアートピースへと進化させたパテック フィリップの「東京2023リミテッド・エディション」を取り上げる。日本で初公開された超複雑機能とは? 時計委員会のメンバー、時計ジャーナリストの菅原茂と本間恵子、細田雄人のコメントやいかに!

限界突破のサプライズ

かつてパテック フィリップ名誉会長の右腕だった人物が退職の際に「これ以上やることはない」と言ったそう。どうやら「頂点を極めた」という意味らしい。ところが、さらなる可能性を探求したのが現社長のティエリー・スターンさん。世界に先がけ東京のパテック フィリップ展で初披露したこれらの複雑時計は、その考えを反映したまさに好例だと思う。十分に高い完成度に達している複雑時計を新たな発想と技術で進化させるとは、う~ん、やるな! 即完売にも納得した。(時計ジャーナリスト・菅原茂)

わかる人だけわかればいい

よほどの時計愛好家でないかぎり、パッと見てこの2本がとんでもない時計だということに気づく人は少ないのではないか。実用的な機能を満載し、エレガントに洗練されていて、けれん味が少しもない。それなのにこれらの新作は、内側にごく複雑なムーブメントを秘めているのだ。わかる人だけわかってくれればいいよ、という時計好きを極めた数寄者のためにあるようなモデル。逆に、これらの2本が身に着ける人をトップクラスの時計愛好家に引き上げるのだともいえる。(時計ジャーナリスト・本間恵子)

超絶モデルの“次”はいかに?

世界中の愛好家垂涎の日本限定モデル。それがカドラプル・コンプリケーション 5308Pと、日付表示を搭載したワールドタイム 5330だ。5308Pは傑作5208にスプリットセコンドを加えた超絶モデルながら、なんと使えるケースサイズに収まっている! 5330は日付変更線を超えた際のカレンダー修正に対応した、実はすごい1本。果たして、後者のために新規開発されたCal.240 HU Cがレギュラー化なるか。それが気になり夜も眠れないという人は筆者を含めて意外と多い。(時計ジャーナリスト・細田雄人)

問い合わせ= パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター  Tel.03-3255-8109
ワールドタイム5330

パテック フィリップは、プッシュボタンを押すだけでワールドタイムの都市表示リング、24時間ディスク、センター時針・分針を1時間刻みで動かし、タイムゾーンの変更が簡単に行える機構で1999年に特許を取得。東京2023リミテッド・エディションでは、これらと現地時刻と同期し、前進や後退も可能という日付表示を初めて追加。この画期的なシステムも特許を取得した。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径40mm。3気圧防水。300本限定製作(完売)。


カドラプル・コンプリケーション5308P
ミニット・リピーター、瞬時日送り式永久カレンダー、クロノグラフを併せ持つトリプル・コンプリケーション「5208」モデルから派生したこの東京2023リミテッド・エディションは、クロノグラフをさらに高度なスプリットセコンドへと進化させた「超」の付く複雑時計。2時位置のボタンのみでクロノグラフのスタート/ストップ/リセット操作、4時位置の専用ボタンでスプリット操作を行う仕組みも秀逸だ。自動巻き。プラチナ950、ケース直径42mm。15本限定製作(完売)。

(ENGINE 2023年11月号)

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