2024.07.06

CARS

【国内初試乗】ついに上陸、フェラーリ・プロサングエに乗った! 2.2トンもある巨大なクルマが、常にフラットな姿勢で走る驚異の足回り! やっぱりこれは、4ドアのスポーツカーだ!! 

フェラーリ・プロサングエがついに上陸した!

全ての画像を見る
イタリア語で“純血”を意味する名前を持つフェラーリ初の4ドア4シーター、プロサングエに、ようやく国内で乗れる日がやってきた。試乗車はロッソ・ポルトフィーノの外装色を持つ、いかにもフェラーリらしい1台。わずか数時間の試乗ではあったが、その実力の片鱗をかいま見ることができた。エンジン編集長のムラカミがリポートする。

午前10時から午後5時まで

イタリアの本拠地マラネロで開かれたプレス向け発表会で、その姿を初めて見たのは一昨年9月。同じくイタリアのドロミテ地方の雪山で初試乗したのは昨年2月のことだから、日本上陸までにずいぶんと時間がかかったものである。フェラーリ初の4ドア4シーターであるだけに世界中で爆発的な売れ行きで、なかなか日本の広報車までは生産の順番が回ってこなかったのかも知れないが、待っている間に2ドア12気筒クーペの12チリンドリまで登場。熱がそちらに移りかけているところに、ついにプロサングエの広報車が届いたという連絡がきた。もちろん、すぐにでも乗りたいと返事をしたら、5月某日、午前10時から午後5時まで貸してもらえることになった次第だ。



そうして改めて対面したプロサングエは、その名にふさわしい、イタリアの血そのもののような真っ赤なボディを持っていた。私がドロミテで試乗したのとまったく同じロッソ・ポルトフィーノだ。その雄姿を見た途端、私の中に1年3か月前の記憶が甦り、一刻も早く走り出したいという気持ちに火がついた。

昂る気持ちを抑えながら、地下3階にある駐車場からループを回って地上へ向かう。最初に印象に残ったのは、あっけないほどの走り出しのスムーズさ、そして次にボディの大きさを意識させられた。全長4973mm、全幅2028mmというのは、日本で乗るにはかなり巨大なクルマの部類に入る。とはいえ、後輪操舵がついているおかげで狭い駐車場内でも取り回しは良く、切り返すことなしに出口ゲートを通過できた。

センターコンソールを中心に左右がほぼ対称になるように拡がったダッシュボード。これはローマから始まったダブル・コクピット・デザインを進化させたもので、最新2ドア・クーペの12チリンドリにも引き継がれている。

背とショルダー部分から上が切り離された独特の形状を持つスポーツ・シートは前席のみならず、後席も共通だ。

外に出て公道を走り出すと、いよいよ記憶が鮮明になってきた。そうそうこんな感じのクルマだった、と最初に思ったのは、着座位置が地面からいつもより高いところにあるというほかは、フロント・ガラス越しに拡がる風景も、12気筒エンジンの感触も、ステアリング操作に対するクルマのシャープな動きも、すべてがフェラーリのスポーツカーそのものだということだ。違いがあるとすれば、ドロミテで乗った試乗車は冬用タイヤを履いていたせいもあってか驚くほど乗り心地がいいと感じたが、ミシュランのパイロットスポーツ4Sを履く今回の試乗車は、それよりずっとダイレクトに路面の荒れを伝えてくる点で、さらにスポーツカーに乗っているという感覚が強くなっている。といって、乗り心地が悪いかというとそんなことはなく、ちょうどいいくらいに引き締まった足を持つグランド・ツアラーのような感覚と言えばいいだろうか。室内はとても静かで、クルマの動きも決して尖ったところがなく、すべてがスムーズそのものなのだけれど、にもかかわらず、たとえばドイツ車の大型SUVに乗っているような感覚とはまったく違う。あくまでフェラーリのスポーツカーに乗っているということを常に意識させられるのだ。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement