2024.07.17

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アバルト695の最後の限定車、「695 75°アニヴェルサーリオ」が350台限定で登場

ついにその日が来た……。覚悟を決めていたとはいえ、「アバルトF595」、「アバルト695」の日本向けの生産が終了するというニュースは衝撃を持って世界中を駆け巡った。

世界1368台の限定車

そして、そのファイナルを飾るモデルとして、世界1368台の限定車となる695のファイナルエディションが日本市場にも350台もたらされることとなった。



アバルト695の最後の限定車、「695 75°アニヴェルサーリオ」の詳細はコチラ

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フィアットとの歴史は1957年に始まる

そもそも「フィアット500」とアバルトとの繋がりは、ヌオーヴァ・チンクェチェントこと、2代目フィアット500がデビューした1957年にまで遡る。

多くの国や地域でフィアット500が愛されるようになった今となっては意外な話だが、2代目チンクエチェントは発売当初、販売が思わしくなかった。アバルトは、その2代目に独自のチューニング・メニューを開発、発売し、好評を得る。そして、1958年2月に1週間に及ぶタイムトライアルを敢行し、走行距離10万8252km、平均速度108.252km/hなど6件の世界記録を打ち立てチンクエチェントのイメージアップに貢献。フィアット公認のチューナーとしての地位を確固たるものとした。

この時の技術を応用し、1963年に排気量を499.5ccから595ccに拡大するなど各部にチューニングを施してノーマルを遥かに上回る27㎰を発生する空冷2気筒OHVエンジンを搭載する「フィアット・アバルト595」を発表。1964年2月には圧縮比を拡大し、大径のキャブレターを装着することで32㎰を発生する「595SS」を発表した。

その1ヶ月後のジュネーブ・モーターショーでは、FIA GTカテゴリーの750cc以下クラスでホモロゲーションを取得するために30㎰を発生する689.548ccユニットを搭載した「アバルト695」を発表。圧縮比を9.8にまで引き上げ、ソレックス34PBICキャブレターを装着することで38㎰を発生する「695SS」、前後トレッドを広げ、オーバーフェンダーで武装したレーシング・バージョンの「695SSアセットコルサ」も用意している。

さらに1969年には半円球燃焼室シリンダーヘッドをもつ「テスタ・ラディアーレ」ユニットを搭載した上で樹脂製のオーバーフェンダーを装備した新型の595SSコルサと695SSアセットコルサが登場。1970年まで多くのレーサーを育てることとなった。



往年のモデルの精神を受け継ぐ

695 75°アニヴェルサーリオは、まさにその695SSアセットコルサの精神を受け継ぐ最後のモデルというべきクルマだ。イタリア語で75番目を表す「75°」の名はアバルト&C社が1949年に創設し今年で75周年を迎えたことを表し、1368台という生産台数は、180㎰の最高出力と230Nm(SPORTスイッチ使用時は250Nm)の最大トルクを発生する直4DOHCインタークーラー付きターボ・エンジンの排気量に由来する。

また通常は2本、3000回転以上の高負荷になると別の2本も加わりすべてのパイプで排気を行う4本出しエグゾースト・システムの「レコードモンツァ」、フロントのKONI製サスペンション、ブレンボ製フロント4ポッド・ブレーキ・キャリパーなどを標準装備するなど、0-100km/h加速6.7秒という俊足を受け止めるシャシー側の準備も万全だ。



ブラックのボディにゴールドのアクセント

往時の695SSアセットコルサを彷彿とさせる迫力あるボディのカラー・バリエーションはブラック・メタリックのNero Scorpione1色のみだが、ボディ・サイドにゴールドのアバルトのサイドストライプと75°アニヴェルサーリオ・ステッカー、同じくゴールドで彩られた17インチ14スポーク・アルミホイールが装されるだけでなく、ルーフに大きなゴールドのスコーピオン・デカールが貼られ、特別なモデルであることをアピールする。

またインテリアに目を移せば、75°アニヴェルサーリオのロゴが刺繍された専用スポーツ・シート、Beats製プレミアム・サウンド・システムなどが標準装備されるほか、アルミ製のシフトノブが奢られる変速機は、5段MTのみという硬派な設定になっているのも嬉しい。

ステアリング位置は右、左の両方が選べ、それぞれ右ハンドルを250台、左ハンドルを100台用意。価格は550万円となっている。



デビューフェアを開催

また、2024年7月20日(土)と21日(日)、同限定車のデビューフェアが実施される。特設サイトより申し込みの上、アバルト正規販売店に来店すると「アバルト・オリジナル・ポーチ」がプレゼントされる。

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さらに、アバルト創設75周年を記念して、F595と695シリーズを対象に特別なキャンペーンを実施。2.99%インテリジェントローンを利用すると、15万円の頭金サポートがもらえるクーポンがプレゼントされる。

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「マルミッタ・アバルト」というスペシャル・エグゾーストの成功から始まり、チューナー、レーシング・チーム、コンストラクターとして、まさにエンジン、すなわち内燃機関と共に歩みを進めてきたアバルト。伝統の695の名を冠した695 75°アニヴェルサーリオは、内燃機時代のアバルトを締めくくるモデルとして、後世に語り継がれる1台となるはずだ。



文=藤原よしお

(ENGINE WEBオリジナル)

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