2024.07.17

CARS

唯一の会則は「ジェントルマンであること」 趣味として葉巻型のヒストリック・フォーミュラを愉しむエンスージアストたちが素敵です!

アマチュアだけどその情熱は素晴らしい!

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クルマの最大の楽しみはやっぱり運転すること! 運転は上手くなればなるほど飛躍的に楽しくなる。趣味としてクルマに乗り、「所有欲」より「使用欲」を満たすことに喜びを感じる人々を、自分でもフォーミュラ・カーを所有し使用欲を満たしているモータージャーナリストの藤原よしおがインタビューした。

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LOTUS 59(1969)と山本雅明さん「ハコとは感覚がまったく違うのが楽しいです」

この日の総合&クラス3ウィナーの山本さん。「40歳になってからミニやヨーロッパでレースを始めました。そして14年前に誘われ、買ったのがこのロータス59です。最初は1リッターのF3だったのですが、エンジンが壊れたのを機にツインカムに載せ替えています。フォーミュラ・カーの面白さはやはりマシンの真ん中に乗ること。ハコとは感覚がまったく違うのが楽しいです。今日のレースはワンチャンを狙っていたものの、ストレートで離されるので無理かなと思っていたら最後に2ヘヤの立ち上がりでトップの関口さんが失速したので抜けました」



ロータス59は41に代わる市販F2&F3マシンとして1969年に登場。角断面スペースフレーム・シャシーを使用し、ボディも2分割のフロント・インテークをもつ特徴的なデザインとなった。山本さんの59は元々1リッターのF3で、現在は1.6リッターのロータス・ツインカムを搭載するクラス3の常勝マシンでもある。


MERLYN Mk.11A(1969)と大平哲之さん「皆良い仲間なので楽しく走れる」

昨年まではブラバムBT21でクラス3に出場。今年からマーリンでクラス2に出場するベテランの大平さん。「1974年くらいに高原レーシングで高原敬武さんのGCマシンのメカニックをやっていました。その後自営をしながら、いつかは自分で乗りたいと思い、2002年にMG-Bでレースを始め、2005年からフォーミュラに乗っています。皆良い仲間なので危険なこともないし、楽しく走れる。それぞれのスタンスでフォーミュラ・カーを楽しめているのがいいですね」。この日はクラス2勢で終始接戦を続け、総合5位、クラス2位入賞。



マーリンMk.11Aはセルウィン・ヘイワードが設立したコルチェスター・レーシング・ディベロップメンツ(CRD)が製造するレーシング・カー。1.6リッター直4OHVのフォード・ケント・エンジンを積む入門用フォーミュラとして1968年にスタートしたフォーミュラ・フォード用としてMk.10 F3をベースに作られたモデルだ。


COOPER T75(1965)と谷萩 明さん「みんな紳士で素晴らしい」

二十歳の時からミニに乗り始め、24歳の時に今も所有するミニ・クーパー1071Sを手に入れたという谷萩さん。「ミニMk. 1のレース仕様でずっとレースもしてきました。他にアルファ・ロメオも所有しているのですが、数年前に“体力が落ちる前にレースしたい”と友人に相談したら、彼のクーパー・アルファ・ロメオを薦められたんです。変な縁ですよね(笑)。この2年半でエンジンもギアボックスもOHして、まだモノになっていないのが歯痒いですが、レースの方はみんな紳士だし素晴らしい。これからもやっていきたいです」



F1界にミドシップ革命をもたらした名門コンストラクター、クーパーが1965年に8台だけ製造したF2マシン。谷萩さんのT75はエキュリー・アルフ・フランシスから、1リッターのアルファ・ロメオ直4DOHCを搭載し、ヨーロッパF2に出場したヒストリーをもつ。現在は1.5リッターエンジンに載せ替え、クラス3に参戦中。


TECNO TF69(1969)と小林大樹さん「人のつながりのおかげで世界が広がりました」

「ヒストリック・カーは1995年に買ったジュリアが最初。それでレースを始めたのですが、ボブ・ボンデュラントのレーシング・スクールで乗ったフォーミュラ・フォード(FF)の面白さ、友人のレーシング・スプライトの軽さ、そして知人のテクノF2に座らせてもらい感化され、アメリカでテクノのFFを見つけ、自分でレストアして乗るようになったのが2000年の冬です。フォーミュラをやって良かったのは、国内外問わず人のつながりですね。おかげで随分世界が広がりました。これに乗り続けられる自分でいることが目標です」



1970年代にF1にも進出したイタリアのコンストラクター、テクノが1969年に製作したF3マシン。この個体は69年にスウェーデンのラッセ・リンドベリにデリバリーされたヒストリーの持ち主で、90年代にイギリスのピーター・デンティでレストアが施されている。小林さんにとって3台目のテクノでもある。

文=藤原よしお 写真=望月浩彦

◆アマチュア・レーサーたちがフォーミュラ・カーでレースを楽しむクラブ、「ヒストリック・フォーミュラ・レジスター」の記事はこちら!

(ENGINE2024年7月号)

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