2024.11.04

CARS

「軽さは善だ、を身をもって証明してくれる、貴重な存在 by 河村康彦」第2位はアルピーヌA110 自動車評論家44人が選んだ「2024年 身銭買いしたいクルマのランキング!

雑誌『エンジン』の大人気名物企画、「エンジン・ホット100ニューカー・ランキングス」。「いい・悪い」ではなく、「身銭を切ってでも欲しいかどうか」、「そのクルマにどれだけ大きな愛情を注げるか」に加えて、今年はオリンピックイヤーにちなんで「時代のトップランナー」も選考テーマとした。44名のホット100選考委員のジャーナリストと編集部員、そして今年もEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2024年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。まずは2024年版のホット100に選ばれた上位20台をカウントダウン形式で発表する。2位は、ヘリテージを現代の技術で蘇らせた、歴史的にも意義深い一台! いつもいつでも操って楽しいデイリー・フレンチスポーツ!

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第2位! アルピーヌA110(全て)346pt

昨年まで5連覇、今年もHOT2と、登場から6年が経っても根強い人気を誇るアルピーヌA110。コンセプトはシンプリシティを極めることで、1977年に生産終了したオリジナルA110がモデルチェンジを繰り返して現代まで生き残っていたら、どんなモデルになっていたかを想像しながら開発されたという。RRではなくミドシップとされたのも、時代の変化とともにそうなっていたはずだという確信があったからだ。

アルピーヌA110、Rウルティム

ライトウェイトというDNAを継承したが、そのために用いられたエンジニアリングに複雑さはなく、ボディや各パーツのほとんどをアルミニウムとし、ストロークがたっぷりとあってタイヤの接地変化の少ないダブルウィッシュボーン・サスペンションを採用。既存の技術を素直に磨きあげることで、類い希なライトウェイトスポーツが完成したのだ。

「その昔軽量スポーツカーのA110に憧れ、今その志を受け継いだミドシップに乗れるのは幸せだ。作り手側の意思がダイレクトに伝わる」(日下部保雄氏)、「いつもいつでも操って楽しいフレンチ・スポーツ。そのシンプルでストレートなメッセージを伝え続けられる、歴史的にも意義深い一台」(桐畑恒治氏)などといった声はコンセプトが見事に理解されていることを表している。また桐畑氏の「いつもいつでも操って楽しい」の他、「車重1110kgと軽量コンパクトなミドシップ・スポーツカー。それでいて日常使いできる実用性や快適性も備えている」(藤野太一氏)のようにデイリースポーツカーとして優れているのも特徴だ。

アルピーヌA110、Rウルティム

「実際の車重以上にライトウェイト感があり、ヒラヒラと舞うように走るこの感触は唯一無二。軽さだけなら他にもあるが、エンジンを含めてバランスがいい」(桂伸一氏)、「軽さは善だ、を身をもって証明してくれる、昨今では貴重な存在。ヒラリヒラリと軽快な走り味が忘れられない。ガイシャながら身の丈感が嬉しいスポーツカー」(河村康彦氏)、「今や世界唯一の存在になった高性能ライトウェイト・スポーツ。手首でクルマを操る感覚を楽しめます」(国沢光宏氏)など、軽いことがA110の魅力だとする声が多いのと同時に、いまやライバル不在であることも高評価に繋がっているのだろう。

また、国沢氏の「Rをもってベストとするが、ダンパー交換すればOK」は自分も同意見。ベース車以上に軽量化にこだわり、ホイールまでカーボンとしたが、Rがもっとも優れているのは、ずばりダンパーだと思うからだ。それでも実際に生活を共にするなら素のA110がベストだろう。「個人的には役付きよりも素のA110が好み」(斎藤聡氏)、「SとかRとかを欲張らないほうが吉」(新井一樹氏)などと同調する声は少なくない。

「2026年に生産終了となることが発表されている」(嶋田智之氏)、「続々と繰り出される限定車とともにフィナーレを迎えるさまを、慈しみつつ見守りたいところだ」(武田公実氏)。次期モデルはBEVとなることが決定。そちらにも期待したいが、奇跡的ともいえる絶妙なバランスが味わえるのは、おそらく現行車が最後なのだろう。

アルピーヌA110
全長×全幅×全高=4205×1800×1250mm。ホイールベース=2420mm。車両重量=1100kg(R TURINI)。ミドシップに搭載する1.8リッター直4ターボは最高出力300ps/6300rpm、最大トルク340Nm/2400rpmを発生、7段DCTを通して後輪を駆動する。車両価格=990万円~。

文=石井昌道 写真=小林俊樹(メイン)/神村 聖(サブ)

アルピーヌA110(全て)には25人が投票した!
346pt/石井20pt+塩澤20pt+大谷19pt+斎藤19pt+佐野19pt+藤野19pt+新井17pt+桂17pt+菰田17pt+塩見17pt+森口17pt+河村15pt+国沢15pt+佐藤15pt+大井13pt+嶋田13pt+藤原11pt+高平10pt+桐畑8pt+山崎8pt+日下部7pt+武田7pt+村山6pt+松田4pt+吉田3pt+EPC10pt

A110に投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック!
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(ENGINE2024年9・10月号)

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