2024.10.11

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いよいよ生産終了 右ハンドルで5MTの希少なアバルトF595にモータージャーナリストの藤原よしおが試乗! これは日常使いができるスポーツカーだ!!

最後の内燃機ベーシック・アバルトというべきF595のオーナーになれる最後のチャンス!

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生産終了が発表され、いよいよ手にいれるのも最後となりつつあるアバルトの内燃エンジン・モデル、F595。ちいさなボディに熱いハートを秘めた愛すべきホットハッチにモータージャーナリストの藤原よしおさんが改めて試乗した。

現代のアバルト・マジック

チューニング、モディファイ、カスタマイズは自動車の楽しみ方の1つの華である。その源流を作った1人が、アバルトの創始者のカルロ・アバルトだ。



戦前からオートバイの製作やライダーとして活躍していたアバルトは、戦後数々のイノベーショを巻き起こした伝説のコンストラクター、チシタリアのレース部門にエンジニアとして加入。1948年にチシタリアが破綻すると、レース部門をそのまま引き継ぎ、自身のレーシング・チーム、アバルト&C.を49年に設立する。

ここで彼が才覚を発揮したのが、モーターサイクル・レースで培ったエキゾーストのチューニングだった。「マルミッタ・アバルト」と呼ばれたアバルト製のマフラーは、走りを意識した若者たち垂涎のアイテムとなった。そして彼は様々な車種に対応するチューニングキットを発売するともに、フィアットのチューニングに注力。彼が手がけたフィアット500が1週間に及ぶタイムトライアルで6件の世界記録を更新し、低迷していた販売が向上すると、その手腕が認められたアバルトはフィアット公認のチューナー兼レーシングチームとなったのである。





アバルトのトレードマークであるスコービオン(アバルトが蠍座だったことに由来したもの)のバッジが付いたフィアットが特別な存在なのは、そういうことだ。レースを、エンジンを、自動車を知り尽くした男の手に掛かると、フィアットは誰にでも愛される実用車から、腕自慢たちを唸らせる生粋のスポーツカーへと大胆な変身を遂げた。そしてその変貌ぶりを人は“アバルト・マジック”と呼んだ。

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真っ赤なスコーピオン・マークのヘッドカバー

それは現代のアバルトにおいても変わらない。アバルトF595のコクピットに座り、イグニッションキーを捻ってアクセルペダルを踏み込むと、ブロンッ!というエキゾーストノートともに、クルマにも人にも何か熱いものが流れ、魂を吹き込まれたような不思議な感覚に陥る。



その大きな要因の1つが、真っ赤なスコーピオン・マークのヘッドカバーが付いた1.4リッター直4DOHCインタークーラー付きターボ、“Tジェット・エンジン”だ。これはイタリアとドイツで行われているフォーミュラ4用をルーツとするエンジンで、165PSのパワーと210Nmのトルクを発生。さらにダッシュボードにあるスコーピオン・マークの“SPORTモード”のボタンを押すと、トルクが230Nmにアップする仕組みとなっている。







このエンジンの魅力を一層引き立ててくれるのが、5速MTの存在だ。シフトゲートが掘り込まれた球形のアルミノブは手のひらにピッタリとフィットして、程よいストロークと剛性感が実に気持ちいい。また軽いクラッチペダルはミートポイントがわかりやすい上に、低速トルクも厚く車重も軽いので、MTビギナーでも扱いやすい仕立てになっているのも好ましい。

それゆえ街中で乗るアバルトF595は、アグレッシブな見た目や快活なエキゾーストノートとは裏腹に拍子抜けするほど扱いやすく、思いのほかしなやかに動くサスペンションのおかげで乗り心地もいい。

ところが “SPORTモード”のボタンを押すと、メータークラスター内の画面が7000rpmからレッドゾーンの始まるレブカウンターを中心としたグラフィックに変わり、アクセルペダルに対するレスポンスも一層鋭いものに変わる。





意を決してアクセルペダルを思いっきり踏み込むと、ギュルルルルーとホイールスピンをしながら強烈なGとともに加速する。なおもアクセルペダルを踏み続けていくと、レブカウンターの針が5000rpmを超えたあたりからエキゾーストノートがハイトーンなものに変わり、一段と高まるパワー感とともに“カムに乗った”ことを実感する。

あわせてステアリングにもグッと重みと手応えが増し、それまでのフレンドリーな面影は消えて、F595は俄然スポーツカーの顔になる。またインパネにある“TTC(トルクトランスファーコントロール)”のボタンを押せば、コーナリング時に内輪が空転するのを抑え、しっかりと路面に駆動力を伝えてくれるので、安心してFFホットハッチらしいキビキビとした走りを満喫できる。



とはいえ2300mmという短いホイールベース、腰高なプロポーションゆえの重心の高さゆえ、ワインディングロードなどを本気で攻め立てていくと、電子制御で飼い慣らされた現代のスポーツカーでは見られないジャジャ馬ぶりを発揮してくるのも事実。

それをアナログ的とか、前時代的と表現するか、手応えがあって面白いと評するかはあなた次第。まがりなりにもこれまで、新旧様々なスポーツカーに乗ってきた個人的な意見を言わせてもらうなら、こういう一癖、二癖あるクルマは乗りこなすまでが難しいものの、一度その壁を乗り越えたらオーナーにしかわからない、無上の満足感を得ることができる。そういう愛車になっていく過程がまた楽しい。そして大抵の場合、そういうクルマはなかなか飽きがこないものだ。

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日常使いができるスポーツカー

今年の6月、ステランテス・ジャパンはアバルトF595、695の日本向け生産終了を発表。それとともに世界1368台の限定車『695 75°ANNIVERSARIO(セッタンタチンクエ アニヴェルサーリオ)』が日本市場に350台導入されることを発表した。

もちろん180PSのパワーと230Nm(SPORTモード時は250Nm)のトルクを発生する695の迫力ある走りには抗し難い魅力がある。しかしながら今回久しぶりにF595に乗ってみて、十分に手の内のコントロールできる165PSのパワーと210~230Nmトルクを、5速MTを介して使い切る、ライトウェイト・スポーツカー的な楽しさもまた捨て難いと実感した。





快適にかつ、快活に日常使いができるシティ・コミューターとしての実用性と、クルマ好きの琴線に触れる、80sホットハッチを彷彿とさせるスポーツカーの楽しさ、刺激を小さなボディの中に詰め込んだ姿は、まさに “アバルト・マジック”そのもの。

ここで1つ朗報なのは、タイムリミットは迫っているとはいえ、まだ最後の内燃エンジンのベーシック・アバルトというべきF595のオーナーになれるチャンスが残っているということだ。

文=藤原よしお 写真=望月浩彦 取材協力=フィアット調布

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■アバルトF595
全長、全幅、全高はそれぞれ3660mm、1625mm、1490mm。ホイールベースは2300mm。小さなボディに搭載されるアバルト・チューンの4気筒ターボは、165馬力の最高出力と210Nmの最大トルク(SPORTモード使用時は230Nm)を発揮する。

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(ENGINEWEBオリジナル)

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