2024.11.01

CARS

ダークな側面を強調したクールなロールス、ブラックバッジ・ゴーストもシリーズIIに進化

黎明期のごくわずかな期間のみ、創設者の1人であるチャールズ・スチュアート・ロールズの手でレースに出場し、その実力を証明したロールス・ロイスだったが、メーカーとしてモータースポーツ活動を行わないばかりか、スポーツイメージを前面に押し出すこともなく、長らく最高出力といったスペックに関しても「enough=必要にして十分」と、敢えて公表することを避けてきた。

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ブラックバッジは2016年に登場

そんな彼らが、40~50歳代のオーナー層に向け、「ロールス・ロイス・ブランドに潜むダークな側面(Alter ego)を強調した」というスポーティでクールな味付けの「ブラックバッジ」・シリーズを発表したのは2016年のこと。まずは初代「ゴースト」と、クーペの「レイス」に用意されたが、順次ほかのモデルにも用意される人気の仕様となった。



ブラックアウトしたエクステリア

その最大の特徴は、塗膜を何層も塗り重ね、磨き上げることで独特の深みと輝きを放つ専用ペイントと、それに合わせて史上初めてブラック塗装された「スピリット・オブ・エクスタシー」像をはじめとするクローム部をすべてブラックアウトしたエクステリア。そして、スタンダード・モデルに比べてファインチューンを施したエンジンにあった。

「ブラックバッジ・ゴースト・シリーズIIでは、当社の伝説的なエンジンをハイパワーに表現するとともに、より力強いテクニカルなデザイン処理とテキスタイル・パレットを組み込むことで、オーナー・ドライバーへのアピールを強化しました」

と、ロールス・ロイス・モーター・カーズのクリス・ブラウンリッジCEOが話すとおり、このたびマイナーチェンジを果たしたゴースト・シリーズIIに用意されるブラックバッジにも、これまでの例に漏れず様々な専用のカスタマイズが施されている。



ブラックのボディにブラッククロームのディテール

まず目に入るのが、ブラック・クローム・フレームに囲まれた縦2本のダークトーンのクローム・ストリップが入った新デザインとなったブレーキ用のロア・エアインテークだ。

もちろん、ブラックバッジの名のとおり、スピリット・オブ・エクスタシーとパンテオン・グリル、側面のバッジ・オブ・オナーに加え、ドア・ハンドルが初めてブラッククローム化された。さらに部分的にポリッシュされた幾何学模様の22インチ・7スポーク鍛造ホイールも、エクステリアのハイライトの1つといえる。



エクスタシー像もブラッククロームに

インテリアでもアナログ時計とライトアップされたスピリット・オブ・エクスタシー像が収められた助手席のクロック・キャビネットが、ミラーではなくブラッククローム処理されていたり、ブラックのボリバル・ウッドをベースにカーボン・ファイバーとメタル・ファイバーを組み合わせたテクニカル・カーボン仕上げのパネルが奢られていたり、メタル部のダーク処理が温度変化に強い物理蒸着法で行われているなど、ブラックバッジ専用のディテールが施されている。

そのほか、竹から作られたレーヨン生地のデュアリティ・ツイル、シート・レザーに小さな穴を開けてアートワークを施すプレースド・パーフォレーションといった新しいマテリアル、技法もセレクトできるだけでなく、ロールス・ロイスのオーナー専用のプライベート・メンバーズ・アプリケーション、Whispers(ウィスパーズ)を統合したセントラル・インフォメーション・ディスプレイ、クルマに目的地を送信したり、車両の位置確認や施錠をリモートで管理したりすることができるSPIRIT(スピリット)オペレーティング・システム、インターネット接続、動画ストリーミング機能の強化など、ゴースト・シリーズIIから採用された様々な新機能、装備も備わっている。



29ps/50Nmの出力アップ

一方メカニズム面に関しては基本的に先代のゴースト・ブラックバッジと同様で、ファインチューンが施された6.75リッターV12DOHCツインターボはスタンダード・モデルより最高出力が29ps、最大トルクが50Nmアップのそれぞれ600ps/900Nmを発生。またシフトレバー付近にある「Low」ボタンを押すと、スロットル・ペダルを90%まで踏み込んだ際にギアシフト速度が50%速くなり、エグゾースト・システムの音量がアップするようになっている。

加えてカメラで路面状況を読み取りサスペンションを制御するフラッグベアラーと世界初のアッパー・ウィッシュボーン・ダンパーを備えたサスペンションも、「ブラックバッジ・プラナー・サスペンション」として専用にセットアップ。ブレーキのバイト・ポイントを引き上げ、ペダルのストローク量を小さくするなど、細かい部分にまでドライバビリティの向上が図られているのも特徴である。



文=藤原よしお

(ENGINE WEBオリジナル)

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