2024.12.07

CARS

アストン・マーティンの旗艦、ヴァンキッシュに自動車評論家の大谷達也が試乗 スーパー・スポーツカーとアストン・マーティンとの決定的な違いとは?

最高出力835psの新開発V12エンジンを積むアストン・マーティン・ヴァンキッシュ

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近年はDBSと入れ替わりながらもアストン・マーティンのロードカーの頂点にあり続けたヴァンキッシュが第3世代へと進化した。イタリア・サルディーニャ島で行われた国際試乗会に参加した、モータージャーナリストの大谷達也が報告する。

ラグジュアリー・ブランドが試乗会の舞台として選ぶ島


ヴァンキッシュの国際試乗会が開かれたのはイタリア・サルディーニャ島。もっとも、島と呼ぶにはあまりにもスケールが大きく、山々を縫うようにして走るワインディング・ロードはダイナミックかつ走りがいがあるほか、立派な高速道路も整備されていて、超高性能車をテストするのにまったく不満がない。数多くのラグジュアリー・ブランドが試乗会の舞台としてこの島を選んできた理由のひとつは、ここにある。



島のワインディング・ロードへ続く一般道をヴァンキッシュとともに走り始める。GT、スポーツ、スポーツ・プラスなどが用意される走行モードのうち、GTを選んで走り始めると、サスペンションが路面の凹凸にしなやかに追従してとても快適な乗り心地が味わえる。先行したDB12も近年のアストン・マーティンとしては異例に足まわりがソフトで快適性は優れていたが、それと並ぶか、ひょっとするとヴァンキッシュのほうがより優しいと感じるくらい、タイヤに伝わる振動を柔軟に吸収してくれるように思える。最高出力835psのV12エンジンを積むハイ・パフォーマンス・モデルであることが、にわかには信じられないほど滑らかな乗り心地だ。



同じV12エンジンを積むフェラーリの最新作“12チリンドリ”もやはり乗り心地は良好だが、あちらはよりスポーティな足まわりを徹底的に熟成することで快適性も手に入れたという印象。これに比べると、ヴァンキッシュはグランドツアラーに求められる快適性を確保したうえで、スポーツ性も両立させたように思える。つまり、2台は出発点がまるで異なっているのだ。

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