2024.12.11

CARS

ヤフオク7万円のシトロエン・オーナー、エンジン編集部ウエダ 入手困難なパーツを求めてふたたび海外行きを企てる! その1【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#55】

2023年秋に、洋梨園を訪ねて長野まで日帰り旅行をした時の写真。

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ヤフー・オークションで7万円のシトロエン・エグザンティアを手に入れ、10カ月と200万円かけての大規模修復後、走り出したエンジン編集部員ウエダによる自腹散財リポート。今回はポーランドからやって来たフランス車フリークとのショート・トリップの模様と、ふたたび海外へ出かけることになるきっかけをご報告する。

冒険のはじまりは一通のメール

それは、すっかり秋めいてきた2023年9月のことだった。この日僕の手元に届いた一通のメールが、2024年の新たなる珍道中のはじまりとなったのである。



メールの送り主はポーランドでフランス車の情報を発信しているウェブサイト、フランクスキー.pl(francuskie.pl)代表、イエンドジェイ・フミレフスキ(Jedrzej Chmielewski)さんだった。本リポートでもこれまで番外篇として何度か報告してきたが、2023年の春、僕は彼に様々なサポートしてもらってポーランド・ワルシャワを訪ねることができた。

そこではエグザンティアの生誕30周年イベントに参加し、さらにはシトロエンの創始者、アンドレ・シトロエンの若き日の足取りを追い、後にアンドレが掲げることになるダブル・シェブロンの起源となった、歯車を見た場所まで招待してもらった。

ワルシャワの西、ゴウォフノ(Glowno)市郊外にあるウッジ(Lodz)という村の古い工場横の小さな堰は、いわばすべてのシトロエン車にとっての聖地といってもいい。僕が訪れた時は何もない静かな場所だったが、その後イベントがいくつも開催され、シトロエン・スクフェル(広場)としてモニュメントも置かれている。

イエンドジェイはこの聖地を世に知らしめようと精力的に活動を続けており、アンドレの孫にあたるアンリ.J.シトロエンまでウッジへ招待し、ワルシャワで講演会などを含む、大々的な催しを行ったりもしている。

メールには彼と二人三脚でフランクスキー.plを育ててきたKrzysztof Gregorczyk(クシシュトフ・グレゴルチク)さんというこのサイトの編集長が、富士山の麓で開催されるカングー・ジャンボリーを取材するべく、日本へやって来ることが記されていた。

クシシュトフとはエグザンティア30周年イベントの夜にすこし挨拶を交わした程度だったので、あらためてフランクスキー.pl内の記事を見直してみたのだが、リポートの数はなんと2000本以上あった! フランクスキー.plは2024年で20周年を迎えるというから、少なくとも年間100本以上を配信しているわけだ。フランスおよびステランティス・グループのクルマの試乗記をはじめ、とうの昔になくなってしまったとんでもない希少車たちについて、彼は積極的に筆を振るっている。

その守備範囲はとにかく幅広く、モータースポーツ、モーターショーなどのイベント取材は当然のこと、ヤングタイマーでもクラシックでもヴィンテージでもなんでもござれ。僕自身、彼の記事ではじめて知ることになったクルマやブランドは無数にあった。

例えばKrieger(クリエジェ)、Bucciali(ブッチアーリ)、Senechal(セネシャル)などというクルマの名を聞いたことがあるだろうか? フランクスキー.plで彼が熱意を注いでいる対象は、そんなコアなクルマばかりなのである。気になる人はぜひ彼の名前で検索をしてみて欲しい。記述はすべてポーランド語ではあるけれど、いまやウェブサイトのある程度の翻訳は、さほど難しくないはずだ。

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