2024.12.21

CARS

ストラット・アッパーマウントを求めてリトアニアへ! ヤフオク7万円のシトロエン・オーナー、エンジン編集部ウエダ 入手困難なパーツを求めてふたたび海外行きを企てる! その3【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#57】

都内某所にて。太いCピラーは進路変更などの際、視界を遮ることもあるが、この後ろ姿の美しさを考えれば致し方ない。

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ヤフー・オークションで7万円のシトロエン・エグザンティアを手に入れ、10カ月と200万円かけての大規模修復後、走り出したエンジン編集部員ウエダによる自腹散財リポート。2023年はポーランドとフランスを訪ね、エグザンティアに関する2つのイベントに参加したが、2024年は、なんと自腹の部品買い付け旅行に出かけることになった! その経緯をご報告する。

リトアニア西方、カウナス

僕がエグザンティア維持の要となる部品、ストラット・アッパーマウントの再生を行っているリトアニアのエラストマーEU(Elastomer.EU)とやりとりをはじめたのは、結局2024年になってからだった。



対応してくれたのは同社のチーフ・フューチャー・オフィサー、イルマンタス・ガリニス(Irmantas Galinis)さんだ。

エラストマーEUのウェブサイトは今ではずっと現代的でスマートフォンに対応したものになっているが、当時はとてもシンプルな、すごく素っ気ないものだった。そしてこのサイトによれば、会社があるのはリトアニアの首都、ヴィルニュスから西に約100km離れた第2の都市、カウナスだ。



エラストマーEUはその名の通り、ポリウレタンを中心とする熱可塑性エラストマーを扱う会社で、重機などキャタピラーのホイールの補修として、ポリウレタンをホイール外周に再コーティングしたり、金属をはじめ樹脂部品へのテフロンなどのコーティングが本業だ。だが、そうしたカテゴリーの1つとして、ちゃんと“シトロエン・マウント”というストラット・アッパーマウントの紹介ページが用意されていた。

対応しているのはシトロエンXM、BX、そしてエグザンティアのストラット・アッパーマウント。そこには購入から2年の保証があること、40カ国以上のシトロエン・オーナーによる装着実績があること、そしてXMやCXの一部グレード用のエンジンなどのマウント類も手がけていることが記されていた。



なお、同社について調べているうちに、エラストマーEUとすでにやりとりをしている先輩が日本にいることが分かった。しかもエグザンティア・オーナーで、僕のリポート車と同じV-SXグレードだ! ただし日本では希少な、初期型の2リットル16バルブ・エンジンと5段MTを組み合わせた並行輸入車である。

日本では非常に珍しい、初期エグザンティア16Vのオーナーのもとで撮影。リトアニアから個人輸入でストラット・アッパーマウントを取り寄せ交換した先輩だ。

このオーナーは僕のリポート車と同じタイプのアッパーマウントをエラストマーEUから購入している。同社とのやりとりのメールをウェブサイト上で紹介しており、基本的には日本からリトアニアへ愛車のマウントを外して送り、在庫があればすぐ交換して発送してくれること、自分が送ったストラット・アッパーマウントそのものを修理することもできるそうだが、2週間ほど時間を要すること、価格は左右一対で200ユーロということ、送料はリトアニアから日本まで送るのに一対で55ユーロだそうなので、行きの分も含めれば300ユーロ以上が必要、といったことが分かった。

リビルド品ゆえ以前のリポートでご報告した日本シトロエン・クラブが代行しているラバー製ほど高品質ではないようだが、送料を含めてもこちらの方が若干安価だ。

エグザンティア乗りの先輩の報告は2022年当時のことだったので、念のためエラストマーEUのイルマンタスさんに問い合わせると、特にやりとりの方法や金額に変更はないという。

問題は交換用のエラストマーEUに渡さなくてはならないストラット・アッパーマウントである。リポート車に装着しているものを取り外せば絶対に間違いはないのだが、当然部品がリトアニアに行って戻ってくるまでの間、クルマは動かなくなってしまう。どうしたものかと思案していたところ、運のいいことに部品取りのエグザンティア・アクティバ用のストラット・アッパーマウントが、左右1セット、主治医のカークラフトに保管されていることが分かった。アクティバが元気に代車として活躍していた当時、純正の新品部品と交換したために不要となった、新車装着時からの古物だ。後々のために保管していたという。



アクティバが部品取りとなったいまでは使う予定もないそうで、これをありがたく頂戴し、エラストマーEUへ渡すことにした。現物をカークラフトで検品し、リポート車と並べ、取り付けパイプやサイズを確認したが、間違いなく同じもののようだった。

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