2025.01.01

CARS

車重3トン超えで0-100km/h加速4.7秒はそら恐ろしい! 新型Gクラスに追加されたEVモデル、G580に自動車評論家の高平高輝が試乗 必殺技は720度Gターン!!

なが〜い車名のメルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジー・エディション1。

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次元が違う

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話題のGターンは4基のモーターを独立制御することによって可能となった必殺技だ。戦車のようにキャタピラー(履帯)を備える車両が左右の履帯を逆回転させることによってその場で旋回するのと同じ、いわゆる「超信地旋回」である。起動するにはまずロー・レンジを選び、ドライブ・モードのロック・モードを選択、ダッシュ中央のGターン・スイッチを押し、ステアリング・ホイールを真っ直ぐ保持したまま回転したい方向のパドルを引きながらスロットルペダルを踏む、という具合だ。そのまま保持し続ければ2回転(720度)回って停止する。ただし、平坦な場所でなければ起動しないし、そもそも公道では使用不可とされている。

バッテリー・パックを密閉してフレーム内に収めたことで最大渡河水深は850mm(G450dは700mm)に向上、CFRP製の頑丈なアンダーフロア・ガードも備わる。


もちろん見物人をびっくりさせる一発芸のための4輪モーター4輪駆動ではない。独立して制御できるということは精密な駆動が可能ということ。タイヤが浮いてしまうようなラフロードでは非常に有効で、富士山麓のオフロード・コースでその優位性を思い知らされた。もちろんほかのGクラスにもロー・レンジと、センターに加えて前後アクスルにもデフロック機構が備わっているのだが、G580はちょっと次元が違う。たとえばホイールが完全に浮いてしまうような場面でも(内燃機関車ではデフロックしなければ反対側の車輪に駆動力が伝わらない)、何事もなく進むG580の安定感は抜群だ。

インテリアも外装もEVを主張するものはほとんどないが、G580にはスペア・タイヤの代わりに充電ケーブルなどを格納するユーティリティ・ボックスが付く。


とはいえオンロードではやはりその重量が気になる。ゴツゴツした突き上げとは無縁ながら、場合によっては上下動が残る。ちなみにG580からG63に乗り換えたら、軽快敏捷な上にフラットな乗り心地にびっくりした。今回エンジン車はISG付きのマイルド・ハイブリッドとなり、G63はAMGアクティブ・ライドコントロールを搭載したことでさらに洗練されているのだ。

最強ともいえるオフローダーがEVなんて、心底驚くほかないが、万能だからこそ、くれぐれも無理をしないようご注意ください。

文=高平高輝 写真=望月浩彦

■メルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジー・エディション1
駆動方式 各輪モーター配置4輪駆動
全長×全幅×全高 4730×1985×1990mm
ホイールベース 2890mm
トレッド(前/後) 1660/1660mm
車両重量(車検証記載前後軸重) 3120kg(1520/1600kg)
モーター形式 交流同期モーター×4
モーター最高出力(総合出力) 147ps/3542-10328rpm×4(587ps)
モーター最大トルク(総合トルク) 291Nm/111-3542rpm×4(1164Nm)
変速機 2段AT
電池総電力量 116kWh
一充電走行距離(WLTC) 530km
サスペンション形式 前/後 ダブルウィッシュボーン/5リンク
ブレーキ 前後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前後 275/50R20 113V
車両価格(税込) 2635万円

(ENGINE2025年2・3月号)

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