2025年屈指の娯楽作、『オズの魔法使い』の前日譚を伝える『ウィキッドふたりの魔女』

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ジュディ・ガーランドが主演した1939年の映画でも有名な児童文学の名作『オズの魔法使い』。そこに登場する2人の魔女たちの前日譚として、2003年にブロードウェイで初演されたのが『ウィキッド』だ。全世界で上演され大ヒットしたこの舞台ミュージカルが映画化された。それが本作の『ウィキッドふたりの魔女』である。

偉大なる魔法使いによって統治されている夢の国、オズ。魔法使いとして偉大な才能を秘めた2人の少女が、大学の寮でルームメイトとなる。何不自由なく育てられた人気者のグリンダと、緑色の肌をもつ特異な風貌ゆえに、父親からも忌み嫌われて育った孤独なエルファバだ。最初は反発しあっていた2人は、ある出来事をきっかけに友情を育むようになる。だが彼女たちを襲った残酷な運命が、2人の人生を大きく変えていく。

色彩にあふれたオズの国の造形美や、一流の演者たちによる煌びやかなミュージカル・ナンバーなど、とにかく見どころの多い作品だが、最後まで印象に残るのは、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデという2人のスター女優が体現する逞しくも美しいヒロイン像である。運命に翻弄されながらも、自らの信念を貫き通そうとする彼女たちの姿が実に魅力的だ。

実は本作は2部作の前編で、後編は全米で今年11月に公開予定。続きが待ち遠しくなる、今年屈指の娯楽作だ。

文＝永野正雄（ENGINE編集部）

『ウィキッドふたりの魔女』
『オズの魔法使い』の物語に登場する“悪い魔女”と“善い魔女”。その誕生秘話を描くのが本作『ウィキッドふたりの魔女』である。主演の二人を演じるのは舞台版の『カラーパープル』でトニー賞とグラミー賞に輝いたシンシア・エリヴォと、ポップス界のスーパースターであるアリアナ・グランデ。この作品で両者とも圧倒的な存在感を示し、アカデミー賞にノミネートされている。そのほかミシェル・ヨーやジェフ・ゴールドブラムなど、主演級の実力派が脇を固めている。監督は『クレイジー・リッチ！』などで演出力に定評のあるジョン・M・チュウ。161分。3月7日（金）より全国ロードショー配給：東宝東和

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（ENGINE2025年4月号）

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