2025.02.26

CARS

80歳と90歳の女性が愛用していたRX-7とロードスター マツダの古いクルマへの取り組みの象徴として活用

クラシックカー&ヒストリックカーのイベント「ノスタルジック2デイズ2025」に、マツダは2台のRX-7と1台のユーノス・ロードスターの計3台を展示した。いずれもマツダが所有するクルマたちで、オーナーにしっかりと愛されたのちに譲渡されたものだ。

3車3様のストーリー

3台の特徴はすべてがリトラクタブル・ヘッドライト……ではない。それぞれのクルマにそれぞれのストーリーがあるのだ。



55歳のとき『頭文字D』を見て即決

シルバー・ボディの3代目FD3S型RX-7は西本尚子さんという長崎市に住む80歳の女性からマツダに譲渡されたモデルだ。西本さんとRX-7との出会いは55歳のとき。ちょうどクルマを乗り換えようと思っているときに、アニメ『頭文字(イニシャル)D』で峠を攻めるRX-7を見て即決した。

その後、ずっと乗り続けてきたが、78歳のときに「いつまでも乗り続けることは不可能。80歳の誕生日にRX-7を誰かに譲り、免許を返納しよう」と決めたという。



譲って欲しい要望が400通以上

そのエピソードが地元のニュースで取り上げられると、RX-7を譲ってほしいというメールが全国から400通以上寄せられたという。そのメールのなかに「クルマのもつ力でいつまでも元気にいきいきと生きる、という物語で多く人々に元気を与えたい」と書かれた1通があった。そのメールこそがマツダ広報部が西本さんに送ったメールであった。

2024年12月。西本さんは80歳の誕生日を迎えたその日にRX-7の整備を担当していた九州マツダのディーラーにて譲渡式が行われ、RX-7はマツダの手に渡った。西本さんはその足で免許を返納したという。このRX-7は今後、メディアが撮影や試乗などに使用する広報車として新しい道を歩むことになる。



60歳でロードスターを手に入れる

1989年式の赤いNA型初代ユーノス・ロードスターも女性が長きに亘って愛情を注いだ1台だ。東北在住の方で、30年所有し、ドライブを楽しんでいたという。購入したのは60歳で、手放したのはなんと90歳のとき。82歳のときには東日本大震災を経験したという。

白い2代目FC3S型サバンナRX-7は1988年式。現在はカフェのオーナーである元所有者は、務めていた会社を定年退職した際に、若い頃からの憧れであったRX-7をウン十年越しで購入したという個体。



新しいクルマも古いクルマも大切にする

マツダは現在、新しいクルマだけでなく、古いクルマをも大切にできる社会を構築し、人とクルマがいつまでも元気に生きていただくこと目指す、「CLASSIC MAZDA」に取り組んでいる。この3台はすでにレストアが行われ、現役として活動している「コスモ・スポーツ」や「R360クーペ」などとともに、この取り組みの象徴として活躍する予定だ。



文=諸星陽一

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement