2025.04.26

CARS

【海外試乗記】マセラティGT2ストラダーレにエンジン編集部の村上がスペインのアスカリ・サーキットで試乗 とにかくGが凄い! コーナリング中は黙って横Gに耐えるしかない


advertisement


レーシングカーそっくり

それにしても、今回の国際試乗会の舞台となった南スペインのアスカリ・サーキットで、改めてGT2ストラダーレと対面した時には、ストラダーレ=公道とは名ばかりの余りにもレーシーな出で立ちをしているのに正直、怖じ気づいた。

ブルー・コルセのボディ・カラーを持つそれは、ピットに展示してあった同じ色のGT2レーシングカーとパッと見ただけでは見分けが付かないくらいに似ていたのだ。



レーシングカーほど低く平べったく巨大なフロント・スプリッターは持たないものの、中央部分が少し持ち上げられたそれは十分に低く、もしスイッチひとつで35mm上げるフロント・リフターが装備されていなかったら、公道でバンプに出会ってもとても対処できないレベルだ。

中央のMC20よりずっと大きく開いた口から入った空気は、フロント・トランクを潰して設えられた通気孔を通してカーボン製のフロント・フードのエア・アウトレットから排出されてダウンフォースを稼ぐ。さらに、両サイドのフェンダーにも両サイドから取り入れてブレーキを冷却するのに使った空気を排出するエア・アウトレットが備えられているが、いずれもレーシングカーとまったく同じデザインになっている。



三叉の矛を3つ並べた形状の9本スポークを持つ、センターロック式20インチ鍛造ホイールのデザインもそっくりだ。4本のホイールだけで、MC20に比べて19 kg軽くなっているという。その奥に覗くブレンボ製のカーボン・セラミック・ブレーキもレーシングカーから技術を受け継いだ専用のもので、MC20のそれよりフロントが8mm、リアが20mm直径が大きくなり、厚さも2mmと6mm増しているという。その結果、時速100kmから停止までの制動距離は29mとなり、MC20の33mより4mも短縮しているというのだ。むろん、それは全体で60kg軽くなった車重のおかげもあるのだろうが。



リアに回ると、まずは両サイドのエア・インテークの上部にカーボン・パーツが取り付けられて、大きさが20%拡大しているのに気づく。

さらに、なんといっても目立つのは巨大なスワンネック式のカーボン製リア・ウイングだ。レーシングカーでは後端からはみ出して一直線の板がぶら下がっていたが、さすがにストラダーレではそうはいかない。ブーメラン型になってきれいに車体の内側に入っている。こうしたエアロパーツのおかげで、GT2ストラダーレが発生するダウンフォースは時速280kmで最大500kg(フロント130kg、リア370kg)。MC20では同じ速度で145kg(同35kgと110kg)というから、驚異的に増加していることがわかる。



斜め上方に開くドアを開けて中を覗き込むと、内装はさすがにレーシングカーほどすべてが剥ぎ取られているわけではなかったが、レザーの代わりにすべてがアルカンターラで覆われ、そのほかにマット・カーボン製のパーツが散見された。シートもカーボン製でブルーのアルカンターラに覆われている。ベルトは3点式の他にオプションで4点式を付けることもできる。このシートだけで左右で20kgの軽量化になっているという。さらにセンターコンソールのカーボン化でマイナス0.5kgといった具合に、まさにレーシングカーを仕立てるように軽量化を図っていったらしい。

サベルト製レーシングシートはカーボンファイバー製のダブルシェルにブルーのアルカンターラ張り。

黒いアルカンターラを使っているのは、軽量化に加えてフロントガラスへの映り込みを防ぐ目的もあるのだそうで、その他、センターコンソールは操作し易いようにステアリングに近づけ、スイッチのまわりにはイエローのラインを使って視認性を良くするなど、すべてが走りに特化したデザインになっているという。

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement