2025.04.21

CARS

島下泰久(モータージャーナリスト)が、日本初導入となるレクサスGX550に試乗した Gクラスやディフェンダーを凌ぐ本物感

日本初導入となるレクサスGXにようやく国内での試乗が実現

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日本初導入となるレクサスGXにようやく国内での試乗が実現した。モータージャーナリストの島下泰久がリポートする。

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コンセプトはプレミアム・オフローダー

それにしてもインパクトの大きなルックスである。水平基調のボディ・ライン、角度の立ったウインドウなどで構成されたスクエアなフォルムは、サイズの大きさもあって存在感抜群。道具的なテイストを感じさせる。一方で、ライトシグネチャーやスピンドルを彷彿とさせるグリル周辺の処理、横一文字のテールランプなど、上質な仕立てによって、まさに“ザ・プレミアム・オフローダー”というコンセプトをそのまま体現している。



それは単なる見た目の話に留まらない。GXの車体はフレームが別体となったいわゆるボディ・オン・フレーム構造で、リア・サスペンションはリジッド。開発は初期段階までトヨタ ランドクルーザー250と一緒に行なわれていたという。要するに、中身もリアルなオフローダーなのである。



試乗車はGX550“オーバートレイル+”。片側10mmずつ拡大されたフェンダー内に、敢えてインチダウンした265/70R18のタイヤを収めるなど、オフローダーとしてのテイストを前面に出したモデルである。



よじ登るようにして室内に入り運転席に腰を下ろすと、高い着座位置、切り立ったAピラーなど、雰囲気はまさしくオフローダーである。周囲の見切りは良く、車体の大きさを意識させないのが有り難い。

基本的にLX600と同じV型6気筒3.5リッターツインターボは、低回転域のレスポンスを重視した小径ターボの採用により最高出力は353psに抑えられている。10段AT、そしてローレンジ付きの4WDを組み合わせる。



走らせて感心させられたのは、フットワークの一体感の高さだ。操舵に対して反応が遅れることなく、素直に向きが変わっていく。この時に大きな姿勢変化を伴うことがないのも美点である。一方で乗り心地は、揺すられ感がやや強めに出る。ゆったり落ち着いた感じとは言い難い。洗練されているとはいえ、やはりリアルオフローダーということか。見た目に惹かれて、RXやNXと同じような気持ちで選ぶと面食らうかもしれない。

今回オフロードは走れなかった。とはいえ、このクルマで悪路に臨むという人は、きわめて少数派だろう。大事なのは、それだけの能力を秘めたクルマを操っているのだという満足感をしっかり得られるということ。見た目、乗り心地などからもそこはかとなく漂う本物感は、Gクラスやディフェンダーといったライバルたちを凌ぐのは間違いない。

文=島下泰久 写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年5月号)
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