2025.04.17

CARS

ナロー911や918スパイダーのヒストリックカーから992.2GTSや電動マカンの最新モデルまで幅広く展示

クルマはもちろんのこと、カー用品やグッズだけでなくファッションなどクルマやクルマ生活にまつわる様々な展示が行われるオートモビル・カウンシル。このモーターショーの枠を超えたモーターショーに今年もポルシェが出展。4台の車両と書のアート作品を展示した。

書のアート

この書は2025年3月27日に東京芝の増上寺で開催された新型「ポルシェ・マカン」の公開イベントにおいて、書家でアーティストの岡西佑奈氏が書き上げた作品。岡西氏は先代マカンのオーナーでもある。作品名は「雅 - electric -」で、金色で「雅」の一文字を書き上げた。オートモビル・カウンシルの会場でも、ポルシェ・ブースの後方に金文字で大きく書かれた「雅」の文字は、ひときは目立つ存在であった。



東京マラソンの先導車も

ポルシェ・ジャパンは世界7大マラソン大会の1つである東京マラソンのオフィシャルパートナーで、先導車などの車両提供も行っている。今回はその先導車となったマカンも展示。このマカンにもまた西岡氏が書いた「先導」の文字が光っていた。西岡氏は審判長車の「審判長」の文字も担当している。

また、「911」の最新モデルでT-ハイブリッドを搭載した「カレラGTS」も展示。600ccの排気量アップし3.6リッターになった水平対向6気筒エンジンを電動ターボチャージャーで過給。54psのモーターを組み合わせることによってシステム総合出力541psのパワーユニットを完成させている。



ミドシップ・ハイブリッドの918スパイダー

オートモビル・カウンシルらしい展示の1台が「918スパイダー」だ。2015年モデルなのでさほど古くはないが、歴史的に重要ということでは十分にヒストリックである。

918のモチーフとなったのは1969年のジュネーブ・モーターショーでデビューしたグループ4にカテゴライズされる量産スポーツカーの917。カンナムレースを中心に活躍し、日本のレースへの参戦実績もある。



V8自然吸気にモーターを組み合わせる

918スパイダーは3.4リッターのV型8気筒エンジンをミドシップにマウント。前後に駆動を配分する4WDモデルである。エンジン出力は506psでその発生回転数は9200回転とかなり高めである。純粋な内燃機関モデルではなく、フロントに2基、リアに1基の電動モーターを備え、プラグイン・ハイブリッド方式を採用している。

展示された918は「ヴァイザッハ・パッケージ」という軽量化が施されたもので、ルーフやリア・ウイングなどをカーボン製に変更。インテリアは革ではなくアルカンターラ、インテリア各部にもカーボン製パーツが採用されている。これにより重量を0-100km/h加速は通常モデルよりも0.2秒速い2.6秒、0-200 km/hは0.5秒速い7.2秒、0-300km/h加速は2.1秒速い19.9秒を達成する。



初期型の911Sも登場

もう1台のヒストリック・モデルは、これぞポルシェというたたずまいを持つモデルは初代の「911S」である。いわゆるナローと呼ばれる世代のモデルだが、ナローは初期のショート・ホイールベースと後期のロング・ホイールベースに分けられるが、この個体は初期シリーズの最終に近い1967年式で、ナローのなかでも最高傑作と言われるモデルだ。

モデル名のSはスポーツを意味している。エンジンはデビュー当初から搭載している2リッター水平対向6気筒であったが、最高出力は30psアップの160psとなっていた。当時の自然吸気エンジンで30psアップは簡単ではなく、ピストンを鍛造にして軽量化、バルブを大径化、噛むプロフィールを変更、ポート径をアップ、圧縮比を高めるなどの改良が施されている。またリアのトレッドも拡大され、接地性を向上した。

ナローはナローでも、じつはかなり珍しく歴史的価値も高いモデルであり、オートモビル・カウンシルにふさわしい1台であった。



文・写真=諸星陽一

(ENGINE WEBオリジナル)
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