2025.05.21

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いつかは手に入れたい、この一本! パテック フィリップ カラトラバ エンジン時計委員、 数藤健 のイチオシ

エンジン時計委員、数藤健のイチオシはこれ! パテック フィリップ カラトラバ5226/自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径40mm、3気圧防水。660万円。

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エンジン時計委員が「願望」「欲望」優先で選んだ、「いつかは手に入れたい、時計好き憧れのマスターピース」。マスターピースとはつまり時代をこえて語り継がれる「傑作」「名作」「代表作」ということ。

いつかは手に入れたい、いくら待ってでも買いたいと時計委員たちが心に秘める1本を披露する。エンジン時計委員の数藤健が選んだのはパテック フィリップだ。



エンジン時計委員、数藤健のイチオシはこれ!

パテック フィリップ カラトラバ5226


パテック フィリップの伝統的な代表作「カラトラバ」に新風を送り込んだのは、2022年に発表されたこのモデル「5226」。

ブラックからアントラサイトへと変化するざらっとした質感のグラデーションダイアル、ベージュの夜光を施した針と数字、クルー・ド・パリ模様を側面に刻むケースなどにコンテンポラリーな感覚とヴィンテージルックの巧みな融合が見られる。

自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径40mm、3気圧防水。660万円。

継承される“時計創りへの情熱”を腕に

昨年10月、ミュンヘンでの「Cubitus」発表会でティエリー・スターン社長にインタビューした時のこと。部屋の一隅で、10~20代と思われる一人の若者が私たち取材者とのやりとりを首肯しつつ熱心にメモしていた。彼は社長の息子さんだと後で聞いた。家族経営の“修練・勉強の場”を垣間見て感銘を受けた。

彼の弟を含む親子三人が一緒に創り世に問うた最初の時計が「カラトラバ5226」だ。意匠や仕様、着用感などを和やかかつ真剣に議論し、試着を繰り返して仕上げたにちがいない。

ブラック・グラデーション+アラビア数字の文字盤はモダンな印象。ケース側面には、ティエリー社長の父フィリップ名誉会長が手掛けた名作「3919」のベゼルに刻まれたクラシカルなホブネイル・パターン(鋲打ち模様)が施されている。

伝統と物語を持ち、創り出す人の顔が明確に見える時計はいまや希少だ。世代を超えて受け継がれる時計創造への情熱を毎日体感できる一人に──いつかなりたい。

文=数藤健

(ENGINE2025年5月号)

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