2025.06.26

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「人生最後の1本にしたい」入手困難 日本人の独立時計師が自作する「ハジメ アサオカ ツナミ」ってどんな時計?

「人生最後の1本にしたい」ハジメ アサオカ ツナミ "Art Deco"

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ENGINE時計委員の高木教雄(時計ジャーナリスト)のイチオシは、日本を代表する独立時計師で、AHCI(独立時計師アカデミー)の会員でもある浅岡肇が自作するシンプルな中2針スモールセコンドモデル「TSUNAMI(ツナミ)」だ。

GPHG(ジュネーヴ時計グランプリ)2024のメンズ部門にノミネートされた「TSUNAMI “Art Deco”」は、往年のフランス高級車ドラージュから想を得たとされる凝った造りのブルーダイアルが特徴となっている。

いつの日かオーダーしたい人生最後の1本

直径15mmの超大型テンプが、毎秒5振動でゆったりと時を刻む。その様子を主役とするため、脱進機を隠すブリッジの構造が実に巧みだ。



日本人の独立時計師、浅岡肇氏の代表作「TSUNAMI」は、時計界屈指の入手困難モデル。なにしろ外装を含むほぼすべてのパーツを自作し、仕上げているため、かなりの製作時間を要する。

さらにマスプロダクトの「KURONO BUNKYO TOKYO」と「TAKANO」のデザイン・プロデュースを手掛け、次なる新キャリバーの開発も進めている。

世界中のコレクターが「TSUNAMI」を切望するが、バックオーダーをこなすだけで手一杯。写真は昨年発表された最新作だが、ブリッジにレーザーで“NOT FOR SALE”と刻印し、非売品としている。「TSUNAMI」は、もう手に入らないのか?

しかし大型テンプのロービートは個人的な好みにまさにドンピシャであり、日本が世界に誇れる匠が手掛けた時計を人生最後の1本としたい。再受注の時が来るのを、いつまでも待つ所存。

◆ハジメ アサオカ ツナミ "Art Deco"
手巻き、ステンレススティール、ケース直径37mm、30m防水。6本限定(完売)

問い合わせ=東京時計精密  https://pwtokyo.co.jp

文=高木教雄

(ENGINE2025年5月号)

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