2025.05.06

CARS

ハイパーカー譲りのパフォーマンス アストン・マーティンDBXに727psのS登場

アストン・マーティンDBXの新たな旗艦グレードとなるDBX S。

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アストン・マーティンが、DBXの新たなトップ・グレードとなる「DBX S」を発表した。パワー・アップと軽量化を施した最強モデルだ。

古のレーシング・カーから受け継ぐ名

エンジンは既存の4リットルV8ツイン・ターボをベースに、ハイパーカーのヴァルハラからターボ過給に関する技術を受け継ぐなど改良を実施。最高出力は従来のDBX 707に対し20psアップの727psを発生する。0-100km/h加速の3.3秒と、最高速度310km/hはDBX 707と同等だが、0-200km/hは0.3秒短縮したという。



トランスミッションは707と同じく、湿式クラッチを用いる9段ATだが、スポーツとスポーツ+の各モードでは、Dレンジでのダウン・シフトがよりアグレッシブさを増している。4WDシステムは、前後駆動力配分を50:50〜0:100の範囲で調整する。

軽量化オプションの設定も、DBX Sの注目ポイントだ。平織りカーボンのルーフ・パネルは全長3m近い、アストン・マーティン最大級のカーボン・パーツ。ルーフ・レールの廃止による18kgの軽減と合わせて、低重心化にも大きく寄与する。グリルには、ポリカーボネートのハニカムも用意された。

マグネシウム・ホイールは、SUVセグメントにおいて初設定というアイテム。特性としてアルミに対し約1/3の重量削減となり、23インチではアルミ鍛造品より19kg軽い。

ステアリング・レシオは4%向上して敏捷性を高め、旋回サークルが50cm縮小したことで取り回し性も改善。サスペンションは最新のエア・スプリングと電子制御式ダンパーをのセッティングを変更し、ボディのロールを最大1.5度に抑えたフラット・ライドを実現する。ブレーキは前420mm/後390mmのカーボン・セラミック・ディスクを採用した。



エクステリアは、グリルやスプリッターを刷新し、整流効果を向上。フロント・フェンダーに輝く、ガラス・エナメル加工を施したSのメタル・バッジは、フェンダーのカラーに合わせて明暗いずれかのクロームで仕上げられる。



リアには、左右2本ずつが縦に並ぶテール・パイプを設置。仕上げはグロスかマットが選択できる。バンパーとディフューザーは、ドア・ミラーやサイド・ストレーキ、ドア・シルと共にカーボン化することで、7kgの軽量化が可能だ。



インテリアでは、Sの刺繍が入るシートが目を引く。ヘッドレストのウイング・マークは、1.5tの圧力と熱を加える業界初の加工技術で、精密に型押しされる。背もたれのヘリンボーン模様は、上にいくほど太くなり、スピード感を演出。カーボン・ルーフ仕様では、ヘッドライナーに同様の装飾が加えられる。

インフォテインメント・システムは、社内開発した最新システムで、オーディオは14スピーカー・800Wの標準仕様のほか、23スピーカー・1600Wのバウワース&ウィルキンス製システムも用意される。



古くは50年代のレーシングカーであるDB3S、近年では2004年のヴァンキッシュSに連なる、高性能モデルを示すSのサフィックスを得たDBX S。デリバリー開始は2025年第4四半期となる予定だ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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