2025.05.07

CARS

シトロエン・アミがイメージ・チェンジ バギー仕様も追加された超小型2人乗りEV

登場から5年間で7万5000台が販売された、この手の車両としてはヒット作のシトロエン・アミ。写真は新たにカタログ・モデルになったアミ・バギー。

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シトロエンが、2020年に発売した超小型EVのアミを大幅改良した。パリ・モーターショー2024で公開したプロトタイプに準じるモデルで、外観の変更のほか、新規バリエーションの追加も実施した。

愛らしく、使い勝手もいいアミの改良版が登場

EUでは軽クアドリシクルと呼ばれるカテゴリーに属するアミは、フランスでは14歳以上なら無免許で運転できる。



2人乗りで、最高速度は45 km /h以下、航続距離は75kmと性能面の制限はかなりあるが、4時間の220V普通充電でフルチャージでき、旋回サークル7.2mと小回りが効くなど利便性も高く、発売からの5年間に18の市場で7万5000台が販売される、この手の車両としてはヒット作となった。

改良モデルは、前後対称に近いフォルムや、右が前/左が後ろのドア・ヒンジといった基本設計はそのままだが、灯火類を含む外観を一新。ヘッドライトとテールライトの位置はバンパー付近からウインドウ下部へと引き上げられ、中央にはシトロエンの新たなブランド・ロゴが配される。



従来よりも平面的で、バンパーのコーナーからホイール・アーチへつながるキューブ状の造形を、シトロエンはレゴにたとえている。全体的に愛嬌を増したデザインだが、幅を把握しやすいという機能性も持ち合わせている。右前と左後ろのフェンダーには、スリット風のモールドが設けられるが、これはシトロエンの象徴的モデルである1948年登場の2CVをイメージしたものだ。



ホイール・キャップも刷新し、キューブ状のドットが並ぶ中にシェブロンを紛れ込ませたデザインに。このキューブは、ボディ・サイドのアクセントや内装トリムとカラー・コーディネイトされる。

改良版アミには、新規バリエーションのアミ・バギーも加わった。従来型でもバギー・タイプは設定されたが、当初の限定50台が瞬時に完売し、1000台を追加することに。そこで、今回はカタログ・モデルに昇格したのである。



標準車との違いは、まずドア代わりに設置されたヒンジ開閉式の金属フープ。アクセサリーとして、フープからルーフまでの開口部を覆う透明なドア・カバーも用意される。ルーフはロール式ソフト・トップで、後端にはスポイラーを装着。ホイールはゴールド塗装の14インチ・スチールだ。



室内では、ステアリング・ホイールのセンター・パッド部に設置する小物入れがグッド・アイデア。パルメイラと銘打ち、鮮やかなイエローのアクセントを効かせた仕様では、アミ・バギーのマスコット・ロボットであるアンディのフィギュアがダッシュボード上に陣取る。



ほかにも、ラストマイル配送などの用途を考慮した、助手席スペースへ効率よく荷物を積むためのカーゴ・キットや、車いすユーザーの乗降性を高めた仕様なども用意される。価格は、アミが7990ユーロ(約130万円)から、アミ・バギーが9590ユーロ(約160万円)からで、フランスをはじめとする欧州市場では5月初頭に受注開始される。



日本市場への正規導入の予定はなさそうだが、この手の小型モビリティを活用する法整備が進むことを切に願う。無法状態の利用者が横行する特定小型原付より、脱炭素化や渋滞緩和といった社会問題解決への貢献度は高いと思うのだが。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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