2025.05.15

LIFESTYLE

光る、浮かぶターンテーブル!オーディオテクニカの世界最高峰のデザインで、未知の音楽体験

日本が誇るオーディオメーカーから発売されるスタイリッシュなターンテーブルが、ミラノサローネで大きな反響を呼んだ。メロディとリズムを光で楽しむ稀有な音楽体験を堪能してみた。

その名は“Hotaru” 曲に合わせて変幻自在に光と色が変わる

初夏から真夏までの狭間、蛍を愛でる短い時期が訪れる。残念ながら、地球温暖化や環境悪化によって見る機会と場所は世界的に減少の一途。それでも条件さえあれば、都心でも宵闇に浮遊する姿を楽しめる。

こうした風習は江戸時代からあったようだが、蛍が光り、明滅する仕組みが解明されたのは最近のこと。簡単に言うとからだの中の発光器に「ルシフェリン」と「ルシフェラーゼ」というタンパク質があり、このふたつが反応して光る。そして一定の感覚で明滅するのは酸素に関係があるらしい。専門的な説明は端折るが、酸素が届くと光り、供給が切れると光も消える。つまり蛍の呼吸と連動しているわけだ。ただ光りっぱなしではなく、息遣いを感じさせる明滅のリズムが心地よさを醸し出す。これこそ、われわれが蛍に風流を感じる所以かも知れない。


 
少々前置きが長くなった。

オーディオテクニカから今秋発売されるターンテーブルの名称が、まさに「Hotaru(ホタル)」。名の通り、音楽に合わせて光る斬新なレコードプレーヤーだ。ターンテーブル、アンプ、スピーカーの各機能が一体となったオール・イン・ワンタイプで、見た目はソリッドにしてシンプル。レコードから流れる音を光に変換するシステムを搭載しており、針をレコードに落とすとイントロと共に光り出す。カラーバリエーションは20種類で、ターンテーブルに使われたアクリルによる透過光が柔らかく美しい。単色のベーシックモードもいいが、ゆらめくようなグラデーションモード、音の波に反応するリンクモードがおすすめ。高・中・低の各音域に連動する様は、音楽を目で聞くような楽しい錯覚を味わわせてくれる。


  
秀逸な機能美はもうひとつ。強力なマグネットを使用することでターンテーブルが本体から浮いたように見えるが、これは浮遊感の演出だけではなく、レコードの再生に悪影響を与える外部振動を抑える効果がある。アクリルも制振性に優れているという。鑑賞の興を削ぐ針飛びを抑える、まさに縁の下の力持ちというわけだ。



アナログだけどビジュアル系、インテリアとしての存在感は抜群

「オーディオをインテリアとして提案したいと思いました」と語るのは、プロダクトマネージャーの村上勇馬さん。空間の一部になるようなデザインで、新しい音楽体験の訴求を目指したという。初お披露目となった今年4月のミラノサローネで、海外の目利きから高い賞賛を浴びた。さらに毎年イタリアで開催される世界最大級のデザインコンペティション「A' デザイン・アワード 2025」の「オーディオ&サウンド・エキップメント・デザイン」カテゴリーで最高峰のプラチナ賞を獲得する快挙を成し遂げている。
 
アナログレコードは世界的に復活している。きっかけは意外なことにストリーミングの普及だという。2010年を境に配信が主流となっていったが、それに比例してビニール盤の売上げが伸び始め、中古レコードへの再注目から新譜でのリリースへと潮目が変わった。

「音楽をモノとして所有したい。そういった気持ちが生まれてきたのではないでしょうか」(村上さん)。

確かに音を聞くだけであれば、紙ジャケも盤も必要不可欠ではない。それでもアートワークに魅せられる、歌詞カードを読む、プレーヤーにかけるという視覚、触覚での実感はささやかだが格別な体験。「Hotaru」が画期的なのは、単に機器としてのデザインにとどまらず、“光るインテリア”として音楽をビジュアル化したことだろう。そして蛍の光が見る人に癒しを与えるように、「Hotaru」は音楽ならではの興奮と心地よさを駆り立ててくれる。

リスニングの進化は必ずしもデジタル化だけではない。そしてアナログは決してアナクロではない。老舗オーディオメーカーの革新的なターンテーブルでの音楽観賞は、きっと五感に響く一期一会となる。

公式オンラインストア価格: 150万円(税抜) 全世界1000台限定、5月30日まで先行予約中
 https://www.audio-technica.co.jp/analog-naturally/hotaru/

【動画】オーディオテクニカ“Hotaru“が回る様子はこちら

https://youtube.com/shorts/xpDTBf-yIQY?si=15m9o0eW5p201Bo4


文=酒向充英


(ENGINE Webオリジナル)

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