2025.05.17

CARS

これが帰ってきたマニュアル・トランスミッションのフィアット500だ 電気自動車だけだった500にハイブリッドの準備が完了

イタリア・トリノのミラフィオーリ工場で完成したフィアット500ハイブリッドのプリ・プロダクション・モデル。

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フィアットが2025年内の生産開始を予定している500ハイブリッド、その最初のプリ・プロダクション・モデルが、イタリア・トリノのミラフィオーリ工場で完成した。

完全電動化を覆す

一度は完全電動化へ舵を切った500だが、世界的なEVシフトの減速を受けて、ハイブリッド車の追加設定を決定した。ミラフィオーリで製造された車両の70%以上が、『メイド・イン・イタリー』のアンバサダーとして、ここから国外へと旅立っていく予定だ。



ナポリのポミリアーノ・ダルコで生産されるパンダとともに、フィアットの象徴的な2台がイタリア製となるわけだ。

公開された先行量産初号車は白いボディで、スタイリングはEVの500eに準じるものだが、右リア・フェンダーには給油口が設けられている。またフロント・エンドには偽装が施され、500eとは異なり、内燃エンジン搭載の吸気や冷却を考慮した改修があることを示唆している。



内装はカバーがかけられているが、ダッシュボードの形状など、基本デザインは500eから継承されていることがうかがえる。ステアリング・ホイールは同形状だが、センターのロゴは赤文字に。そして、センター・コンソール前端にはMTのシフト・レバーが生え、ノブには6段のパターンが刻まれている。



プリ・プロダクションすなわち先行量産は、市販車の生産に先駆け、車両や生産設備の確認のために実施。完成した車両はメディア向けの発表や試乗、ショーでの展示などに供されることもある。



本格的な量産開始は第4四半期で、11月を目標にしているとのこと。生産台数は、EV化で市場での勢いが衰えた感のある500だが、年間10万台越えを目指すというハイブリッド・モデルの追加で、ふたたびヒットを飛ばせるか。



また、この500ハイブリッドの高性能版のアバルト仕様は用意されるのか? 続報が楽しみだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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