2025.05.28

CARS

「進化のスピードがスゴイ」 自動車評論家の佐野弘宗、嶋田智之が試乗した驚きのセダンとは?

佐野さん、嶋田さんが試乗したのは中国のあのクルマだ!

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今年もやりました2025年版「エンジン・ガイシャ大試乗会」。上半期注目の総勢33台の輸入車にモータージャーナリスト33人が試乗!

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BYDシールAWDには、桂伸一さん、藤野太一さん、西川淳さん、佐野弘宗さん、嶋田智之さんの5人が乗った。今回は佐野さん、嶋田さんの「ここがスゴイ」リポートをお届けする。

「日本も負けるな!」佐野弘宗

BYDはなによりスピードがスゴイ。ここでいうスピードとは、今回試乗したシールが走る速度ではなく、そのビジネスと進化のスピードだ。日本で最初に導入されたATTO3の発売からわずか1年半のうちに、ドルフィンとシールも追加されて、BYDはあっという間に、日本で大・中・小の3車種という立派なラインナップを整えた。



さらに今年春には4車種目の日本導入となるシーライオン7も控えている。クルマそのものの進化も速い。日本導入第1号のATTO3とシールの本国発売は半年強ほどのタイムラグしかないが、わずかに新しいシールのほうが、乗ってみると(価格や車格の高低を差し引いても)明らかに洗練されている。

正直、高速やワインディングでの接地感や一貫性など、日欧米のクルマにまだ及ばない部分がなくはない。でも、基本的な直進性や乗り心地は問題なし。さらに、BYDがこれまで見せてきたスピードを考えれば、そうした細かな機微の部分でも日本車に追いつくのもそう時間はかからないだろう。日本も負けるな!

「正直ちょっと欲しい」嶋田智之

航続距離649kmのRWDモデルが528万円、575kmのAWDモデルが605万円。最初にその価格を聞いたときには、間違いなく何かの間違えだ、と複雑な言葉づかいで混乱したものだった。驚異的なコストパフォーマンス。

でも、BYDシールはコスパだけのモデルじゃなかった。どちらのモデルも1週間ほどお借りしてアホみたいに長距離を走ってみたが、リアルな航続距離でも充分以上に納得がいったし、急速充電時の電気を飲み込む性能にも満足できた。BEVとしての優秀さには、気掛かりな部分は微塵もなかったのだ。自動車としてのクオリティを考えても、かなりの出来映えだと思う。

全長×全幅×全高=4800×1875×1460mm。ホイールベース:2920mm。車両車重=2230kg。車両価格=605万円。

今回あらためてAWDモデルを走らせたのだが、路面の荒れが続くところでサスの伸び縮みの帳尻が合わなくなることがあって、そこが少し気になりはしたけれど、加速力にしても旋回性能にしても乗り心地にしても装備類にしても、ウォルフガング・エッガーの手になるスタイリングも、しっかりと気を惹いていくレベル。正直に白状すると、ちょっと欲しいかも……。

BYDシールAWD

中国BYDの世界戦略車シールは1モーターのRWDと2モーターのAWDの2種が用意されている。AWDのウリはシステム最高出力510ps、0-100km/h加速3.8秒という高い動力性能。全長×全幅×全高=4800×1875×1460mm。ホイールベース:2920mm。車両車重=2230kg。車両価格=605万円。

写真=神村聖/小林俊樹/茂呂幸正

(ENGINE2025年4月号)

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