2025.06.08

CARS

123万6000円のファーストクラス・パッケージの内装は必見 電動メルセデスの頂点、マイバッハEQS680に試乗 3452万3000円の価格にため息が出た

オプション価格285万9000円のベルベットブラウンとオニキスブラックのツートーンに塗り分けられたEQS680SUV

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マイバッハ・ライド

しかし、至れり尽くせりなのは内外装だけでは無かった。むしろ、走りに関わる見えない部分に投入された技術の総体こそが、さらに“至れり尽くせり”であったというべきなのかもしれない。

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電気自動車だから静かなのもスムーズに走るのも当たり前だが、ただ静かでスムーズなだけだと、むしろこれまで馴染んできた内燃機関のクルマと違いすぎて違和感を覚えてしまう。しかし、EQS680には、そうした違和感が微塵もなかった。明らかにこれまでとは違う電気自動車の走りなのだが、運転感覚や乗り味は間違いなく伝統的なメルセデスのものだ。

ファーストクラス・パッケージが奢られた内装は豪華そのもので、とりわけ後席の居心地は抜群だ。

マイバッハ・モードを選んでおけば、走る、曲がる、止まる、のすべてにおいて、常に最上級の状態を自然に作り出してくれる。そのソフトというよりは、ヌメヌメと道をトレースしていくような独特の乗り味は、メルセデス・ライドを超えた、新たなマイバッハ・ライドといえるかもしれない。

山道では、さすがに3トンを超える重さを感じないわけではなかったが、前後ふたつのモーターを持ち、合わせて658ps、955Nmのパワー&トルクを発生する4輪駆動のシステムが、実にみごとに車体をコントロールしてくれるから、まったくストレスを感じさせない。Uターン時の回転半径の小ささも特筆もので、後輪操舵の舵角がよほど大きいらしく、まるでCクラスのようにクルッと転回してくれるから、大きさが苦になることもない。

車両価格は2790万円。試乗車はオプション込み3452万3000円。価格にも、ため息が出た。

文=村上 政(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年7月号)

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