2025.06.07

CARS

メルセデス・ベンツの大黒柱、GLCに加わったエントリー・モデル、220d“コア”に試乗 これは最良の選択肢だ!

輸入車登録台数でもミニに続く堂々の第2位に輝くGLC。

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メルセデス・ベンツの新たな大黒柱、GLCに新たなエントリー・モデルが加わった。“コア”と名付けられた2リッター直4ディーゼル・ターボ搭載のそれに試乗してきた。エンジン編集部のムラカミがリポートする。

Cクラスに代わる大黒柱

今や、GLCは押しも押されもせぬ、メルセデス・ベンツの大黒柱と言っていい。なにしろ、2024年の日本におけるメルセデス・ベンツの売上げ台数のトップ・モデルであり、輸入車登録台数でもミニに続く堂々の第2位に輝いているのだ。ちなみに、同年のメルセデス・ベンツの登録台数に占めるSUV比率は5割超というから、クルマの主流は完全にセダンからSUVに移り、かつてのCクラスのポジションをGLCが奪ったと考えるとわかりやすい。

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実際、2014年型Cクラスのオーナーである私としても、次に乗るならGLCかな、なんて思うことがある。そこへ新たに加わったエントリー・モデルの試乗会が開かれると聞いて、駆けつけた次第だ。

そのGLC220d 4マティック・コアは、これまでの220dの動力性能はそのままに、標準装備やオプションの選択肢を減らし、内装を簡素にすることで、価格を大幅に抑えたモデルだ。SUVとクーペがあり、ボディ・カラーは白、黒、シルバーの3色のみで白以外は有償。用意された試乗車が安い方のSUVで色は白、オプションが何も付いていないのを見て、私が欲しいのはまさにコレだ、と思った。自慢じゃないが、我がC180も白で、オプションはレーザー・セーフティ・パッケージしか付けていないが、それはこのGLCでは標準装備になっている。

最新のデジタル化されたインパネと機能は変わらない。

乗り込むと、シートはすべて人工レザー張りだった。私はもっと簡素な布張りの方が好きで、我がCクラスもそうだが、もはやそんな選択肢はないのだ。一方、インパネまわりのデザインは、220dと同じで、昔よりかなり進化している。メルセデスはこのクラスあたりが一番お買い得だと思うのは、Sクラス用に開発されたデザインと装備が、ほとんどそのまま流用されており、コアにも我がCクラスにはない自動再発進装置付き前車追従機能や最新のインフォテイメント・システムが付いていた。


誰でも安心して運転できる

走り始めてすぐに感じたのは、我がCクラスと運転感覚がまったく同じで、取り回しが抜群にいいことだった。ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4720×1890×1640mmで、ホイールベースは2890mm。日本で乗るには、まさにドンピシャのサイズだ。前後左右の見切りが良く、誰が乗っても、これなら安心して運転できるだろうと思わせるドライバビリティの良さがある。いろいろなクルマに乗る仕事をしていて、我がCクラスに再び乗った時にいつも感じるのと同じで、ステアリングやペダルの操作に対する、走る、曲がる、止まるのクルマの動きが、ドライバーの意思通りに自然で過不足がないから、運転していて、とてもラクなのだ。



いや、エンジンに関して言えば、2リッター直4ディーゼルは我がCクラスの1.6リッター直4ガソリンと比べれば過剰なくらいにパワフルかつトルキーではあるが、車重1930kgのSUVを山道で走らせるには、このくらいが気持ちいいようにも思えた。少なくとも、これ以上のパワーは私には必要ない。

問題があるとすればただ一つ、価格が50万円近く安くなったとは言え、819万円もすることだ。我がCクラスは450万円だった。エンジンと4WD代に進化料金を考えても、私には手が出ない。でも、お金さえあれば飛びつきたい、最良の選択肢だ。

文=村上政(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年7月号)

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