4月上旬にスイスで開催されたWatches & Wonders Geneva(W&WG)にてお披露目されたモデルを中心にENGINE時計委員が注目モデルをセレクト。今回はモンブランを紹介する。文字盤や裏蓋だけでなく、ケースのサイドにも見られるこだわりの仕上げを画像とともにお楽しみあれ!
想像するだけで楽しく、ハイになる
ワタクシごとですが、こうみえて山男。登山歴は40年を超える。フランス側からモンブラン(標高4807m)にも登頂した。
自分にとってモンブランといえば、万年筆や時計よりも(すみません)、スイーツよりも第一にアルプスの名峰なのだ。閑話休題。

新作は超人登山家ラインホルト・メスナーの業績を讃えたスペシャルモデルと聞いて「おっ」と声をあげ、さっそく書棚から彼の自伝をひっぱり出す始末だ。
デザインは7大陸最高峰完全制覇の偉業を締めくくった南極大陸のヴィンソン山塊からのインスピレーション。この時計に高度計やコンパスといった登山の便利機能はないけれど、北半球と南半球が回転する地球儀がメスナーの足跡を想像させ、ロマンという点で心に訴えるものがある。
近頃は一般向けの南極ツアーも人気だそう。メスナーつながりの時計を着けてヴィンソン山見物なんていうのも夢じゃないか?もう想像するだけで楽しく、ハイになるな。
モンブラン 1858 ジオスフェール ゼロ オキシジェン マウントヴィンソン リミテッドエディション
酸素を完全に排除したハイテクウォッチをベースにして、登山家ラインホルト・メスナーが成し遂げた7大陸最高峰登頂に捧げるシリーズを開始。
第1弾は、彼が7番目に登頂した南極の最高峰ヴィンソン・マシフ。登頂年の1986年にちなみ986本の限定生産モデルは、ブルーの特殊な複合素材によるケースに山塊のイメージを巧みに表現。

暗所ではケース側面に山の輪郭が浮かび上がる。ダイアルの上下に並ぶ2つの地球儀で北半球と南半球の時刻を示す一種のワールドタイム機能もユニークな特徴だ。自動巻き。直径43.5mm、100m防水。130万3500円。
問い合わせ=モンブランお客様サポート Tel.0800-333-0102
文=菅原茂
(ENGINE2025年7月号)