2025.08.10

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歴史と伝統を感じられる緻密なダイアルが美しい!ヴァシュロン・コンスタンタン トラディショナル マニュアルワインディング

繊細な仕上げはまさに職人技!ヴァシュロン・コンスタンタン トラディショナル マニュアルワインディング

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4月上旬にスイスで開催されたWatches & Wonders Geneva(W&WG)にてお披露目されたモデルを中心にENGINE時計委員が注目するモデルを紹介。今回は、創業270年を迎えるヴァシュロン・コンスタンタン。その美しく歴史を感じる文字盤を時計委員のコメントとともにお楽しみあれ!

歴史を蘇らせ、伝統に命を吹き込む継承

W&WGではヴァシュロン・コンスタンタンのヘリテージレクチャーを受けた。門外不出の資料をもとに270年の歴史を紐解く。注目したのは、今年の新作に導入されたコート・ユニークという仕上げだ。

これは2021年にヒストリーク・アメリカン 1921のオリジナルモデルを復元する作業で確認された100年前の技法で、複数に分割されたムーブメントの受けに途切れなく流麗なラインを刻む。当時の工具を使った技術の修得には500時間以上を費やしたという。まさに歴史を蘇らせ、伝統に命を吹き込む継承だ。

プラチナモデルを多数発表してきたメゾンゆえ、この270周年モデルにもプラチナを加えた。世界限定370本。541万2000円。

新作では文字盤にロゴマークのマルタ十字と幾何学パターンをあしらう。このマルタ十字を見るたび思い出すのが、以前マルタ島の要塞都市ヴァレッタで見た絢爛豪華な聖ヨハネ大聖堂だ。ロゴ自体は騎士団とは関係ないものの、かつて不屈の精神で欧州を守り芸術と文化の豊穣を極めたシンボルは、人類が培ってきた時計の文化と技を受け継ぎ次世代に繋げようというメゾンの精神にも通じ合う。 

ヴァシュロン・コンスタンタン トラディショナル マニュアルワインディング

ジュネーブの伝統的な高級時計製造に敬意を表した「トラディショナル」コレクションは、メゾンを代表するコレクションのひとつ。新作「マニュアルワインディング」は周年記念モデルで特別なデザインがダイアルに採用されている。



メゾンを象徴する「マルタ十字」と、そこから放射されているラインで形作られる幾何学模様が実に印象的だ。手巻きムーブメントのブリッジに施されたコート・ユニーク模様も特別感を演出する。ピンクゴールド、ケース直径38mm、3気圧防水。世界限定370本。389万4000円。

問い合わせ=ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-175

文=柴田充

(ENGINE2025年7月号)

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