2025.06.14

CARS

もともと伊カロッツェリアと共同開発だったムーヴが30年目の大改革 ついにスライド・ドア採用へ

登場から30年。7代目となった新型ムーヴが登場。

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ダイハツが新型ムーヴを発売した。1995年の初代登場から30年、7代目となった新型は『もう一度、心が動き出す。MOVE ON.』をキャッチフレーズに、使い勝手や安全性を大きく進歩させた。

カスタムはないけれど、ダンディにもシックにも

最新のDNGAプラットフォームを採用し、全高はFF車が1655mm、4WDが1670mm、ホイールベース2460mmと、先代の1630mm/2455mmより拡大。フロントまわりは、グリルとヘッドライトをシームレスにつなげたデザインだ。



従来のカスタム仕様は設定されないが、アナザー・スタイルとして、ダーク・メッキ基調のダンディ・スポーツ・スタイルと、カッパー加飾を施したノーブル・シック・スタイルと題したオプションの組み合わせを提案する。



サイドは、メリハリの効いたプレス・ラインや、動きのあるCピラーがアイキャッチ。そして、ムーヴ初採用となる後席スライド・ドアにより、狭い場所などでの乗り降りや積み下ろしの利便性を高めた。

RS/G/Xの各グレードはパワー・スライド式で、フロント・ドア・ハンドルのスイッチでドア・ロック予約ができるタッチ&ゴー・ロック、イージー・クローザーの各機能を装備。RSとGには、降車時にクルマへ戻った際の自動オープンを予約するウェルカム・オープン機能も備わる。

リアのスタイリングは、ムーヴ伝統の縦型テール・ライトを装着。バック・ドアは上開きで、最大幅1052mm、高さ865mmと大きな開口部を確保し、荷室フロア高は660mmと程よい高さに設定した。

ダンパーとスプリング、ステアリング特性は専用で、動き出しから振動が少ない乗り心地や、キビキビ曲がる操縦安定性を目指した。RSには、15インチ・タイヤと高性能ダンパーを装着する。

エンジンは、RSにターボ、G/X/Lの各グレードに自然吸気を搭載し、トランスミッションはCVTで、FFと4WDを全グレードに設定する。

ストレスなく軽快な走りをもたらすスロットル特性とし、RSはターボとステップ・シフトによって高い加速性能とリニアな加速感を実現した。燃費性能は、従来比10%の改善を果たしている。



DNGA導入で、ドライビング・ポジションも改善。フロント・ピラーの傾斜角やヒップ・ポイントを最適化し、運転しやすい前方視界を確保した。また、シートのホールド性を高め、操縦性や疲れにくさを追求している。



前後乗員間距離は1055mmと大きく取り、後席は左右分割ロング・スライド機構を装備。車内は随所に収納アイテムを配置したほか、FF車は荷室に背高物の積載にも便利なラゲージ・アンダー・ボックスを用意した。

安全面では、17種類の予防安全機能を含むスマート・アシストを標準装備化。加えて、アダプティブ・クルーズ・コントロールをグレード別に装備する。ブラインド・スポット・モニターと急アクセル時加速制御を行うプラス・サポートをディーラー・オプションとして設定した。

価格は135.85〜202.4万円。エントリー・グレードであるLのFF車は、スライド・ドアの軽乗用車では最廉価だという。



30年前に登場した初代ムーヴは、伊イデアとダイハツが共同でデザインし、フロント・フェンダーまわりの独特な形状が目を引いた。



また、バック・ドアは横開きで、5代目まで続いたこの稀有なレイアウトは、ユーザーがムーヴを選ぶポイントでもあった。

今回はニーズの高いスライド・ドアの採用で、ヒンジ・ドアの競合車との差別化を図り、軽市場での存在感を取り戻すことが期待される。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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