2025.07.13

CARS

2年待ってRZ34を購入した自動車評論家・国沢光宏が新旧の日産フェアレディZのデザインを比べてみる! 新型は初代の雰囲気を全て受け継いでいる

50年以上、7世代に亘って進化を遂げてきた日産フェアレディZ。その魅力を、初代と初代の雰囲気をしっかり再現した最新モデルとともに探る。新型Zを自ら購入したモータージャーナリストの国沢光宏がリポート。

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外板を変えただけなのに

おっとデザインでした。Z34と全く同じプラットフォームを使うRZ34ながら、驚くほどイメージが違う。Z34はワイド&ショートなクルマに見える。なのにRZ34ときたら、初代フェアレディと同じような“長さ”を感じる。繰り返すけれどボディの骨格(例えばAピラー)はZ34と共通。外板だけ変えたのみ。それでいてここまで違う雰囲気を出せるのだからデザインって面白い。

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そんなRZ34ながら、どうしても納得出来ない点が2つある。1つはルーフに沿って設けられたシルバーのパネル。このライン、オリジナルに存在しない。もしかしたらオリジナルのようなメッキのドアサッシを意識したのかもしれないが、だったらドアサッシでよかったと思う。はたまたオリジナルよりボディの厚みが(天地方向)あるので、そいつを弱めたかった?

日産のデザイナーはミスマッチだと解っているからこそ、シルバーのパネルが目立たないようなツートンカラー(オリジナルには存在せず)を幅広く採用したのかもしれません。少なくとも私のオレンジには全く似合わない。購入してから半年以上経つけれど、見慣れもしない。困ったことに取り外すことは出来ないです。私と同じような考え方の人は違う色を選ぶしかない?



2つ目は何の工夫もなくぽっかり空いたフロント・グリル。どう考えてもカッコ悪い。日産車内でも反対派が多かったようだけれど、当時、チーフデザイナーだったアルフォンソさんは変更を絶対に認めなかったと聞いた。すると興味深いことにニスモからフロントのイメージを決定的に変えるフロント・グリルが出た。もはや文句無し!オリジナルの雰囲気も残しつつ新しさを感じさせる。

世界的に見ると、ミニやビートル、フィアット500、ルノー5など、ヒストリカルなモデルをオマージュしたモデルがいくつか出てきた。RZ34もその中の1つと考えていい。現代のクルマは衝突安全性や歩行者保護など、たくさんの法規的な制約を受けることになるため、スタイリッシュに仕上げるのは難しい。そんな中、RZ34のデザインって上手にまとまっていると思う。



ちなみにヒストリカルなクルマのオマージュで一番難しいのはヘッドライトである。古いクルマの場合、丸目なら2灯か4灯で、全て同じサイズのヘッドライトが付いていた。今や標準ヘッドライトなんかない。RZ34も苦労の跡がうかがえます。RZ34は私の標準グリルだと少し違和感あるけれど、ニスモ仕様ならよく似合う。ということで私のフェアレディもニスモ仕様のグリルに交換したら超素敵になりますね。

文=国沢光宏 写真=茂呂幸正 取材協力=日産ヘリテージコレクション

(ENGINE2025年7月号)

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