2025.06.25

CARS

V8ツイン・ターボ+モーターで1267馬力! ハイパー・カーの領域に踏み込むコルベットZR1X

V8ターボとモーターで1200馬力オーバーというコルベットが登場。

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シボレー・コルベットに、史上最強を更新するZR1Xが加わる。0-97km/h加速は2秒を切り、最高速度は375km/hという、掛け値無しのモンスターだ。

これぞ究極のコルベット


現行のコルベットには1078ps/1123Nmの大出力を誇るLT7型5.5リットルV8ツイン・ターボを積んだZR1や、V8 OHVに前輪駆動用の電動モーターを加えた4WDのE-レイが存在する。これらの技術が融合した、コルベットの究極形と言えるのがZR1Xだ。

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ジェミニ・スモール・ブロックと銘打たれたV8ユニットは、手組みのDOHCエンジンである。フラット・プレーン鍛造クランク・シャフトを備えるドライサンプ・ユニットで、自然吸気版のLT6がZ06やレーシング・カーのZ06GT3.Rに搭載される。



ZR1Xのツイン・ターボ版は、76mm径ターボのハウジングをマニフォールドと一体化したマニターボを採用。ターボと排気バルブの距離を極力近づけ、過給遅れを減らすことでスロットル・レスポンスを改善する。また、スロットル・オフでのターボの回転低下を防ぐ、ダイナミック・アンチラグ・コントロールも備える。

これに組み合わせるのが、E-レイより強力な189ps/197Nmのフロントモーターで、総合出力は1267psに達する。ゼロヨン加速は9秒を切り、到達速度は240km/hオーバーだ。バッテリーはE-レイと同じ1.9kWhで、センター・トンネルに搭載。実用電力はE-レイより向上し、257km/hまでモーターへ電力を供給する。



ブレーキは、フロント10ポット/リア6ポットのアルコン製キャリパーに、前後419mmのカーボン・セラミック・ディスクを装備。“J59”と呼ばれるこのブレーキ・パッケージは、290 km/hから193km/hの制動時に1.9Gもの減速Gを発生する。タイヤはミシュラン・パイロット・スポーツ4Sが標準装備だが、ZTKパフォーマンス・パッケージを選ぶと、よりハードな足まわりとともに、カップ2Rが装着される。

また、回生ブレーキを利用したトルク・ベクタリングや、フロント内輪にブレーキをかけコーナー脱出時のトラクションを最大化する前輪プリ・コントロール、ローンチ・コントロールといった電子制御デバイスも装備。最高速時に544kgものダウンフォースを生む、カーボン・エアロ・パッケージも選択できる。

ボディ・タイプは、1963年型コルベットのスプリット・ウインドウを思い起こさせる左右分割リア・ウインドウを備えたクーペと、電動式リトラクタブル・ハードトップのコンバーチブルを設定。






3面ディスプレイを備える内装は、2026年型コルベットで導入される最新デザインだ。



生産は、手組みエンジンも含め、1981年以来コルベットを送り出し続けているケンタッキー州のボーリンググリーン工場で行われる。

ZR1の名は、1970年に3代目の高性能スモール・ブロック搭載車のオプション・コードとして登場し、1990年には4代目にロータスと共同開発したLT5型5.7リットルV8 DOHCを積んだモデルに与えられた。

2007年には6代目で647ps、2019年には7代目で765psのスーパーチャージャーV8搭載車として設定。現行の8代目では、2025年モデルに用意されたばかりだが、それを凌ぐ最強モデルが早くも2026年モデルで誕生することになる。



日本市場へはまだZR1も導入されていないが、先頃Z06に待望のコンバーチブルが追加されるなど、ラインナップ拡大が続いている。ぜひともこのスペシャルなコルベットも、日本の道で走らせてみたいものだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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