ロレックスの人気モデルである「デイトナ」の中でも特別な「ウィナーズ・デイトナ」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないだろうか。このウィナーズ・デイトナは、世界で行われるモータースポーツの中でもとりわけ過酷な耐久レースであるデイトナ24時間レースやル・マン24時間レースの優勝ドライバーに贈呈される特別なデイトナだ。時計愛好家の間でも”特別なデイトナ”として一目置かれている。
1992年から優勝ドライバーに贈呈され始めたウィナーズ・デイトナを世界で初めて手にした、すなわち1992年に優勝したチームは日本の自動車メーカー「日産」だった。
今回、特別に当時の優勝ドライバーである鈴木利男さんにウィナーズ・デイトナを見せてもらえる機会を得た。また、ロレックス デイトナだけでなく、デイトナ24時間レースでの出来事、R35 GT-Rの開発の裏話なども聞くことができた。
全4回にわたりウィナーズ・デイトナをはじめ、デイトナ24時間レースやR35 GT-Rのことなどをお届けする。
ウィナーズ・デイトナ|勝ち抜いたドライバーに贈られる特別なデイトナ
「ウィナーズ・デイトナ」は、裏蓋に「WINNER AT DAYTONA」と刻まれた特別なデイトナだ。ロレックスがメインスポンサーとなっている耐久レースの優勝ドライバーに贈られ、1992年に開催されたデイトナ24時間レースから始まった。この慣習は今でも続いており「24時間耐久レースの優勝ドライバー=デイトナ贈呈」が定番となっている。

このウィナーズ・デイトナを世界で初めて、つまり1992年に獲得したのは、日産チームのドライバーだ。1992年のデイトナ24時間レースのドライバーは、長谷見昌弘、星野一義、鈴木利男、A・オロフソンの4人。

日産チームはラジエーターが砂で目づまりやクラッチの滑りといった問題があったものの、大きなマシントラブルに見舞われることなく完走。24時間という長い戦いを文字通り「圧勝」という形で制し、1992年のデイトナ24時間レース優勝を果たした。日本人初、日本メーカー初、日本チーム初の総合優勝であった。
そのレースで、総合優勝したマシンは、日産 R91CPだ。
日産 R91CPマシン情報

・年式:1991年
・型式:R91CP型
・全長:4,800mm
・全幅:1,990mm
・全高:1,100mm
・ホイールベース:2,795mm
・トレッド(前/後):1,600/1,560mm
・車両重量:930kg以上
・エンジン:VRH35Z型(V型8気筒 4バルブDOHC ツインターボ)
・エンジン排気量:3496cc
・最高出力:500kW(680ps)以上/7,200rpm
・最大トルク:784Nm(80.0kgm)以上/5,200rpm
・サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/ダブルウィッシュボーン
・ブレーキ(前/後):カーボンベンチレーティッドディスク/カーボンベンチレーテッドディスク
・タイヤ:25.5-12.0-17/28.5-14.5-18