2025.07.16

CARS

ロレックス初の「ウィナーズ・デイトナ」を手にしたのは日本人だった! 1992年から続く耐久レース優勝者に贈られる特別なデイトナとは

1992年デイトナ24時間レースのウィナーズ・デイトナ

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現存する1992年の「ウィナーズ・デイトナ」の1つは非常にきれいな状態

1992年のデイトナ24時間レースで優勝した日産チームのドライバー4人には、裏蓋に「ROLEX 24」という文字とあわせて「WINNER AT DAYTONA 1992」の刻印が刻まれている特別なデイトナがロレックスから贈られた。

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きれいな状態で保管されている1992年のウィナーズデイトナ

そのメンバーの1人で、今回「ウィナーズ・デイトナ」を見せてくれた鈴木利男さんは、現在はR35 GT-Rの点検・メンテナンス・車検などを行っている株式会社ノルドリンク代表をしている。

一般的に「デイトナ」と呼ばれるこのモデルの正式名称は、ROLEX OYSTER PERPETUAL COSMOGARPH DAYTONA(ロレックス オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ)だ。

1963年に登場したデイトナは、モータースポーツのニーズに応えるために設計されたモデルで、タキメーターベゼルと高性能機械式ムーブメントを搭載しているクロノグラフウォッチ。

ウィナーズデイトナを着用してもらった

利男さんがデイトナ24時間レースで優勝した時に贈呈された1992年当時のデイトナは、Ref.16520の4代目。ムーブメントには、自動巻きクロノグラフムーブメントの傑作ともいわれるゼニス社製「エル・プリメロ(El Primero/スペイン語で「No.1」の意味)」をベースにロレックスが改良したCal.4030を搭載している。

ケース径は40mm、防水性能は100m。風防がサファイアクリスタルになり、リューズガードが装備されるようになった。ちなみに、自動巻きとなったのも、この4代目デイトナからだ。

4代目(Ref.16520)のデイトナは、黒文字盤の中にあるインダイアルが茶色く変色することがある。これは、「ブラウンダイアル」、「ブラウンアイ」、「パトリッツィダイアル」と呼ばれる。茶色く変色したインダイアルは、希少価値が高いモデルとして市場で高く評価されている。今後もその希少性は変わることはない、いや、むしろ価値が高まっていく一方だろう。

利男さんは、日頃時計を着用しない。そのため、保有している「ウィナーズ・デイトナ」は非常にきれいな状態だった。

そして、この当時のデイトナにみられるインダイアルのブラウンチェンジが進んでいる。

ブラウンチェンジしている様子まで見れる

世界初の「ウィナーズ・デイトナ」は、普段は大切に保管されている。よって、目立ったキズなどがない。一般的に日常使いしている時計は、鏡面部分に線キズなどが入っていることが多いが、見せてもらったウィナーズ・デイトナは、鏡面仕上げの部分の線キズもほぼなかった。

ウィナーズ・デイトナを着用することがほぼないという利男さんに、着けない理由について聞いてみると、「大きいし、重いから」とのことだった。

ケースもブレスレットも非常にきれいな状態

普段着用することがないとはいえ、ここまできれいな状態で保管されている90年代のデイトナは珍しい。

クルマ好きであり時計好きでもある筆者は、まさかこの目で「ウィナーズ・デイトナ」を見れる日が来るとは思っていなかったため、目の前にウィナーズデイトナが現れたときは非常に興奮した。

ウィナーズ・デイトナのベースとなっているデイトナは、ステンレススチールのブレスレットを装着する黒文字盤の定番モデル。しかし、裏蓋にある刻印が特別なモデルであることを証明する特別仕様のデイトナだ。

定番モデルであるものの、特別な刻印がされたデイトナは、欲しくても手に入れることができない1本。もちろん利男さんも手放すつもりはないと話している。

次回:「絶対に壊すなよ!」と言われた1992年デイトナ24時間レースとウィナーズ・デイトナの現在

文=齊藤優太(ENGINE編集部) 写真=佐藤慎吾(ENGINE編集部)、日産自動車(R91CP)

(ENGINE Webオリジナル)
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