2025.06.29

CARS

「お父さん、このクルマが欲しい!」 SVO仕立てのディフェンダー・オクタは、父親の背中が映える最強SUV 

ディフェンダーの最上級モデル、オクタ

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「6Dダイナミクス」採用で快適性を大幅アップ

もうひとつ、オクタが通常のV8モデルと大きく異なる点は、車両制御システム「6Dダイナミクス」の採用にある。このシステムは6方向(前後・左右・上下×回転・傾き)でクルマの動きを予測・制御し、常にフラットで安定した姿勢を保つ。具体的には、油圧回路で左右・前後のダンパーを連結し、電子制御ユニットで減衰力を可変制御している。

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「6Dダイナミクス」の挙動はモニターでも確認できる。

その結果、ステアリング操作時の車体の傾きや、ブレーキング時の前のめり感が大幅に抑制される。重量級SUVによくあるイヤな浮遊感とは無縁で、重心が一定に保たれることから、「高級リムジンのような快適さ」と胸を張って讃えたくなる。

さらに、ステアリング中央のホーンスイッチの下には「オクタ・モード」と呼ばれるモードスイッチが設置されており、エンジン、サスペンション、トランスミッションなどを一括して最もアグレッシブな設定へと切り替えることができる。

ドライバー正面の計器類は、オクタモード選択時に赤く照明され、出力やGフォースがひと目で把握できる表示に変化する。

個人的に「6Dダイナミクス」とエキゾーストサウンドの組み合わせが絶妙で、東名高速道路下りの横浜町田出口にある大きな右カーブを、ほとんど車体の揺れを感じることなく爽快に駆け抜けた際の、野性的なV8サウンドは最高であった。この英国仕立ての高性能SUVには、他の追随を許さない魅力が満ちあふれている。

最後に、10歳になった長男と二人でドライブをした。嘘か本当か、速くて楽しい青色のクルマとして、レンジローバースポーツSVRのことを覚えていると言い、オクタもお気に入りの様子であった。

「次のクルマはこれがいい!」

そんな、息子の無邪気な言葉を真に受けた父は、ジャガー・ランドローバー・ジャパンに問い合わせてみたところ、2025年モデルはすでに完売しており、現在はキャンセル待ちのみとのこと。2026年モデルの登場を待つしかない状況だが、三兄弟の父としては、2099万円という価格は、重すぎる現実として胸に突き刺さるのであった。

文=佐藤 玄(ENGINE編集部) 写真=篠原晃一


ディフェンダー・オクタ

駆動方式 フロント縦置きエンジン+4輪駆動  
全長×全幅×全高 4940×2065×2000mm  
ホイールベース 3020mm  
トレッド(前/後) 1770/1760mm  
車両重量(車検証記載前後軸重) 2610kg(1360kg:1250kg)  
エンジン形式 V型8気筒DOHC32V+ツインターボ  
総排気量 4394cc  
ボア×ストローク 89.0×88.3mm  
最高出力 635ps/6000-7000rpm  
最大トルク 750Nm/1800-5855rpm  
変速機 8速AT  
サスペンション形式(前/後) ダブルウィッシュボーン/エア  
ブレーキ(前/後) マルチリンク/エア  
タイヤ(前後) 275/60R20  
車両価格(税込) 2099万円

(ENGINE2025年8月号)

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