2025.07.11

LIFESTYLE

【夏休みのドライブに】天然水仕込みの黄金のバターロールが味わえる!八ヶ岳に新たなパンの聖地が誕生


ライブ感たっぷり。パンの焼き上がりをシアター感覚で楽しむ

斜面の傾斜を利用したカフェの店内に柱がなく、ガラスの全面開口部のおかげで自然とシームレス感覚。冬は暖炉が活躍しそう。

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地元産のルバーブを使ったラテ(左)と八ヶ岳天然水サイダー(右)

ユニークなのは「パンづくりのラボ×ベーカリー×カフェ」の三位一体であること。当たり前だが、どんなパンであれ、焼き上がったばかりの味に勝るものはない。ここでは最高の素材を極上の状態で食べる至福を堪能できるよう、さまざまな演出が施されている。場所は中央高速道の長坂ICで降りて15分ほど県道を登ったところにあり、レンガづくりのアーチが目印。くぐるとゆるやかな斜面を下る形状となっており、ガラス張りのカフェが迎えてくれる。ここでは天然水を使ったコーヒーやサイダーのほか、濃厚なソフトクリームもラインナップ。

ライブ感あふれるオープンなラボスペースでは、パンが出来上がる様がスペクタクルで圧巻。

そして庭を囲み、カフェエリアの向かい、さらに斜面の下に位置するのがベーカリーだ。開放感たっぷりのカフェとは異なり、壁のレンガ素材が重厚感を醸し出すが、カーブした形状と高さを抑えたことで周囲の自然とマッチしている。そして小さな扉をくぐると目にするサプライズが、まるで映画館のような空間設計。階段状になったシートの向こうに見えるのは、なんと仕切りのないベーカリー。オープンキッチンは珍しくないが、パン作りの裏側を大胆に見せるオープンベーカリーというのはなかっただろう。

食べる側の照明は暗く、スタッフ側を明るくすることで、手捏ねから焼き上がりまでをライブに見られる様は圧巻、目と鼻、そして味蕾で満喫できる。これは単なる空間演出にとどまらず、パン職人たちに文字通り「スポットライト」を当てるという同社のポリシーによるもの。

熟練の手業が間近で見られるのもここならでは

地元の土地の恵みをふんだんに使用した食事系パン。草原のタルティーヌ(手前右)、畑のタルティーヌ(手前左)。麓のまるごとカブ(奥)。

ベーカリーとしての営業は週3日のみ。ラボという名称通り、残りの日は地元産の食材を使った新商品の開発が行われている。ホカホカを頬ぼるパン好きの反応を見ながら、これはと思うものは他店舗でも食べられるように商品化していくという。一期一会とともに、次の流行りを先取りする喜びが味わえる。

さて、肝心の食レポだが、ただ「美味しい」という芸のない感想しか思い当たらない。ひとつ言えるのが、これまで焼きたてパンとは異なる次元ということ。バターやジャムをつけなくても小麦本来の自然な甘みがとことん味わえる。ハード系のバゲットですら、口に入れたとたん、とろけるような感触だったといえば少しは想像していただけるだろうか。あらためてパンにおける水の大切さを、40%という比率以上に実感できるに違いない。

都心からおよそ3時間、人気観光地の清里からも決して近くはない。冬には雪にも覆われる。だがパン好きはもちろん、市販のパンをなんとなく食べている人もぜひおすすめしたいスポット。パンからパンづくりの源流まで遡るようなツーリングは、きっと誰もが笑顔の贅沢な週末体験になる。

Truffle BAKERY 南八ヶ岳  

お土産にぴったりな八ヶ岳限定パンボックス。ここでしか買えない10種類のアソートで、上段が当日中に食べたい「今日のパン」、下段は次の日でも楽しめる「明日のパン」という2段重ねになっている(事前予約制)。


文=酒向充英(KATANA) 

(ENGINE Web オリジナル)

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