2025.07.24

CARS

「リコール」って何?「改善対策」と「サービスキャンペーン」の違いとは

安全性にかかわるリコールとは

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ニュースで見聞きすることがあるクルマの「リコール」。リコールの届出がされると対象車種や製造年月が大々的に報道されるため、重大な欠陥のように思ってしまうかもしれないが、実はリコール以外にも重要な回収措置がある。今回は、「リコール」とは何なのか、その他の「改善対策」や「サービスキャンペーン」との違いなどについて解説する。

保安基準に適合しないおそれがある「リコール」

リコール(recall)とは、(不良品などを)回収するという意味を持つ言葉である。クルマにおけるリコールについて国土交通省は、「同一の型式で一定範囲の自動車等またはタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していないまたは適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計または製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます」と定めている。



クルマのリコールは、ニュースでも取り上げられることが多い。また、対象となる車種や製造年月なども併せて報道される。そのため、リコール=重大な欠陥と思っている方も多いだろう。しかし、リコールと同じ程度の危険や安全性の欠如の心配がある改善措置があることをご存じだろうか。それが「改善対策」だ。

不具合が発生した場合に安全が確保できない可能性がある「改善対策」

国土交通省によると、「改善対策」は、「リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保および環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計または製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます」と定めている。



このことからも、「改善対策」もリコールと同程度の危険性や安全性の欠如の心配がある改修といえるだろう。そのため、もしメーカーから「改善対策」についてのお知らせが届いたら速やかに販売店へ連絡して修理したほうがよいといえる。

リコールや改善対策に該当しない不具合「サービスキャンペーン」

リコールや改善対策の他にも「サービスキャンペーン」というものもある。国土交通省の資料によると、「サービスキャンペーンは、リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うことをいいます」と定義されている。

サービスキャンペーンは、リコールや改善対策ほど危険性や安全性の心配はないものの、改善措置が必要な場合に通知される。このお知らせが届いた場合も早めに修理をしておくとよい。

無償修理対応となるためリコール・改善対策・サービスキャンペーンの通知が届いたら速やかに修理しよう

ここまで解説してきたように、クルマの改修には、「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の3つがある。このうち、リコールは大々的にニュースになることが多い。しかし、改善対策やサービスキャンペーンは、大きく報道されないことがあるというのが実情だ。しかし、いずれも商品の不具合があることに変わりはない。



そのため、リコール・改善対策・サービスキャンペーンの通知が届いているものの、修理をせずクルマを使い続けるのは安全とはいえない。よって、通知が届いたら速やかに修理を受けることをおすすめする。なお、リコール・改善対策・サービスキャンペーンの修理費用等はメーカー負担となる。無償で受けられる修理を受けて安全に乗り続けられるのであれば、修理をしておくほうが良いだろう。

もし、今手元にリコール・改善対策・サービスキャンペーンの通知が届いているようであれば、修理の予約を取り、早めに修理しておくことをおすすめする。

文=齊藤優太(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)

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