2025.08.05

CARS

650馬力、4リッターV8の純内燃エンジンがたまらない! 自動車評論家の大谷達也が新型ベンテイガ・スピードに試乗!!

ターボチャージャーを大型化して650馬力を達成した新型ベントレー・ベンテイガ・スピードにアメリカのモンタナで試乗した。

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スポーツ・モードがすごいぞ

モンタナ州で行われた新型ベンテイガ・スピードの国際試乗会では、その実力を存分に試すことができた。

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走り始めてまず感じたのは、ソリッドな感触の足回りがもたらすスムーズで快適な乗り心地だった。これまでのベンテイガは、路面から大きなショックが加わったとき、足回りに微振動が残る傾向が見られたが、新しいスピードにはそれがなく、がっしりとして頼もしい印象が強まった。それでいてサスペンションのストロークは滑らかで、ゴツゴツとしたショックはほとんど伝えない。ボディをしっかりと支えてくれるのに快適性が高い、いかにもベントレーに相応しい足回りといえる。



650 ps のV8エンジンは、低回転域で怒濤のごとき大トルクを発生したW12エンジンとは対照的に、軽快でレスポンスのいいパワーを生み出してくれる。そしてスロットルペダルを強く踏み込めば、ためらうこともなければ息つぎもみせずに、リニアに出力が立ち上がっていく。その素直な特性とトップエンドまでスムーズに回りきる回転フィールは、スポーツドライビングを好む多くのユーザーから歓迎されるはずだ。



新型ベンテイガ・スピードには“走り屋”から歓迎されそうな特徴がもうひとつある。スポーツ・モードでESCダイナミックをチョイスすると、ブレーキ・トルクベクタリングが作動。ドライバーの操作からダイナミックな走行を期待していると判断されるとテールアウトの姿勢をシステムが作り出し、そのままスロットルペダルを踏み続ければドリフト走行にも持ち込めるようになったのだ。ベンテイガの4WD機構は、アウディ・クワトロ譲りのトルセン式センターデフ方式。したがって、これまではよほどのことをしない限りオーバーステアにはならなかったが、新型ベンテイガ・スピードであれば簡単にテールアウトの姿勢を引き出せる。そんな楽しみ方をするドライバーがどれだけいるかはわからないが、新型ベンテイガ・スピードがスポーツ4WDモデルの新境地を切り拓いたことは間違いない。



「いやいや、自分はスポーツ性より環境性能が重要」というむきにはV6エンジン・ベースのPHEV、ベンテイガ・ハイブリッドが引き続き用意されるほか、スタンダードなV8モデル、さらにはラグジュアリー性の強いエクステンデッド・ホイールベースもラインナップされるベンテイガ・ファミリーは、内外装を自分好みに仕立てられるパーソナライゼーションの幅広さを含め、ラグジュアリーブランドならではの魅力が詰まったSUVといえるだろう。

文=大谷達也 写真=ベントレー・モーターズ



■ベントレー・ベンテイガ・スピード
駆動方式 フロント縦置きエンジン+4輪駆動  
全長×全幅×全高 5144×1998×1728mm  
ホイールベース 2995mm  
トレッド(前/後) 1689/1707mm  
車両重量(前:後) 2466kg  
エンジン形式 V型8気筒DOHC32V+ツインターボ  
総排気量 3996cc  
最高出力 650ps/6000rpm  
最大トルク 850Nm/2250-4500rpm  
トランスミッション 8速AT  
サスペンション(前) ダブルウイッシュボーン/エア  
サスペンション(後) マルチリンク/エア  
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク  
タイヤ(前後) 285/40 ZR22  
車両本体価格(税込) 未発表

(ENGINE2025年9・10月号)
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