46人のモータージャーナリストが「2025年のいま身銭を切ってでも欲しい」クルマを選ぶエンジンHOT100。ステアリングを握り走らせたことがあるものだけから選んだと言うモータージャーナリストの斎藤慎輔さんのマイHOT 20の1位は、このクルマだ!
モータージャーナリストの斎藤慎輔の選考理由「開発者の想いが浮かぶかが肝」
前提として自身でステアリングを握り走らせたことがあるものだけから選んでいます。つまり、デザインに惹かれていたとしても、あるいは周りでどれほど評判を呼んでいたり絶賛を浴びていても、ドライビングの実体験をそれなりに得られていないものは選択から外させてもらいました。「走りの質」を重視するとともに開発者の想いが浮かぶかどうかが肝です。
20位 BMW X1/iX1
BMW Xシリーズの末っ子ながら「これでいい」ではなく「これがいい」と思わせる。とくにICEモデルの日常域から心地よさを備えたドラビリに感激しました。
19位 テスラ・モデルY
いい意味でも悪い意味でもクルマ造りの常識を打ち破ってきたテスラのダイナミクス領域の進化と真価を、圧倒的なハンドリングに見せつけられました。
18位 トヨタ・クラウン・スポーツ
トヨタのクルマ造りが変わってきた象徴的一台。得意のハイブリッドを活かしつつダイナミクス領域のレベルを引き上げ、その上で価格は抑えられてます。
17位 ロータス・エミーラ
古さと新しさの狭間でエリーゼ以降のロータスの味わいを保てていることに安堵。しかも意外に普段のりに使えてしまうスーパースポーツである点も素敵です。
16位 アウディA5/S5
やっぱりICEモデルもしっかり開発してるじゃないの、と嬉しい裏切り? のA4の後継車。苦労を滲ますBEVモデルに対しこなれた感じで進化を遂げてます。
15位 ヒョンデ・アイオニック5N
EVは走りのキャラクターに違いを見出しにくい中、ICE+有段変速の感覚をEVの特性を活かしながら実現するなど、速さに動きに感性に拘り満載です。
14位 トヨタGRヤリス
トヨタが欲していた純トヨタ製のスポーツモデルとして強い思い入れが感じられる。走りの完成度とともに官能性までを高めてきたことには驚いてます。
13位 日産スカイライン
クルマは素性で決まる! それは18年間に渡り、基本そのままに改良・熟成で最新スーパースポーツと互角以上に渡り合ってきたこのGT-Rが証明してます。
12位 メルセデス・ベンツEクラス
先進感を見せつけるインテリアに乗員全員の快適性をもたらし、ドライバーにはメルセデスならではの疲れ知らずのドライビングを提供してくれます。
11位 アウディRS3
コンパクトセダンのパッケージングを活かした低重心と安定性の高さに振り回せるハンドリングを両立。それでいて上質な走り感をも備えます。
10位 フォルクスワーゲン・ゴルフ
ゴルフは8.5になって見違えてきた。ICEモデルをもう一度しっかり造る意識を感じさせ、ベースグレードからGTI、Rまでベンチマーク足り得る出来です。
9位 ホンダ・シビック
ここでの評点はタイプRに対してですが、開発陣の「これが最後」との想いが強く伝わってくる、実用域から限界域まで隙なく作り込んだFFスポーツです。
8位 マセラティ・グラントゥーリズモ
優美さを放つクーペスタイリングとインテリアは魅力。それに見合う優雅な走り感を備えながら、豪快な動力性能と正確なハンドリングを堪能できます。
7位 ランドローバー・ディフェンダー
ヘリテージを見事に昇華したスタイリングに、道路環境、天候などに対する圧倒的な信頼感を備え、快適性と道具感のバランスの巧みさに感心してます。
6位 シボレー・コルベット
いきなりミドシップを採用してこの出来栄えですかと感嘆させられてから、更に著しい進化を遂げ続けている、米車の底力を見せつける存在です。
5位 ポルシェ911カレラ・クーペ
いつどれに乗っても、その在り方はブレていない尊敬する存在。なおかつスーパースポーツの類で稀な、日常で普通に使えるところが嬉しいです。
4位 マツダ・ロードスター
多くの人が認める日本の自動車界の宝。発売から時を経るほどに魅力と貴重さは増すばかり。速過ぎないからこそ奥の深いドライビング探求が可能です。
3位 BMW M2クーペ
かつてM3に惹かれた身にとって、なんてありがたく素晴らしい存在か。誇示するためのスポーツカーではなく、日常からのドライビングに感激をもたらす直6と6段MTに感謝。サイズ感と実用性にも◎です。
2位 アルピーヌA110
近年フランス車の最高傑作。数値的速さを得るよりも難しいライトウェイトに拘り、少しずつ磨き上げてきた走り、動きは唯一無二の感あり。法規上仕方ないとはいえ2026年での生産終了が惜しまれます。
1位 ポルシェ718ケイマンGTS4.0
718の開発年次の古さ故ながら日常でも手に余らないサイズであり、自然吸気フラット6の官能性とドライからウエットまでドライバーの操作に正確に応えるハンドリング。ICEにおけるスポーツカーの完成形。
文=斎藤慎輔
■エンジンHOT100とは?
モータージャーナリストが2025年のいま身銭を切ってでも欲しいと思うクルマ100台の順位を決める雑誌『エンジン』の名物企画、エンジンHOT100。そのHOT100の源となるのが、ジャーナリストと編集部員による投票「マイホット20」である。今年も、「マイ・パーソナル・ベストはこれだ!」というテーマの下、46人が思い思いの20台を選び、その選考理由を記した。各位のクルマに対する姿勢や価値観が垣間見えるこのマイホット20には、HOT100の結果に勝るとも劣らぬ価値と楽しみが詰まっている。
(ENGINE2025年9・10月号)
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