毎年順位を上げるこのSUVがランクイン! 46名のジャーナリストと編集部員、そしてEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2025年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。総合第6位に選ばれたのは、その性能とデザインでこれぞキング・オブ・オフローダーと誰もが認めるこのクルマだ!
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第6位! ランドローバー・ディフェンダー(オクタ含む) 207pt
昨年の21位から大幅にジャンプ・アップ! 登場から5年が経っても、その魅力は深まるばかりだ。

前回から大きく順位を上げ6位入賞を果たしたのがランドローバー・ディフェンダーだ。もともと“本物”のオフローダーとして自動車史にその名を刻んだ名車は、2020年に現行型へと刷新。
クラシックな佇まいを残しつつ、悪路走破性とオンロードでの快適性を高次元で両立し、極めて完成度の高いSUVへと進化を遂げた。登場から5年が経った現在もその実力は色褪せず、モデルとしての熟成とラインナップの拡充によって再び脚光を浴びている。

注目すべきポイントのひとつが多彩なパワートレインだ。とりわけ3リッター直6ディーゼルターボ(MHEV)を搭載する「D350」は、滑らかな加速フィールと高い静粛性で、「直6ならこうでなくちゃ」(高平高輝)、「エンジンの静かさは特筆もの」(藤野太一)など高評価を集めている。

一方で、BMW製の4.4リッター V8ツインターボを積むハイパフォーマンス仕様「オクタ」の存在も、ディフェンダーの評価を押し上げる大きな要因となった。「最高にフィールが良い」(小川フミオ)、「ハイパフォーマンスSUVの頂点」(佐藤玄)と称されるこのモデルは、「その力強さがオンロードだけでなく、オフロードでも発揮される」(九島辰也)という声のように、走行性能の幅広さが光る。「浮いているかのようにフラットに走る6Dダイナミクスサスペンション」(佐野弘宗)の「足さばきに恐れ入った」(村山雄哉)の評価からも、最新メカに支えられたその乗り味は「異次元のフットワーク」(桐畑恒治)と形容されるほどだ。

さらに、ショート・ホイールベースの「90」からファミリー向けの「110」「130」まで、幅広いボディバリエーションが揃う点も強みだ。「ショートが完璧」(西川 淳)、「都会に自然と溶け込む」(塩澤則浩)といった声が示すように、90のコンパクトさと個性に魅力を感じる者も多い。こうしたサイズ展開に加え、「ヘリテージを見事に昇華した」(斎藤慎輔)「モダンかつ重厚」(菰田潔)なスタイリングにも、単なる回顧的復刻にとどまらない、現代的な完成度の高さが表れている。
質感という点でも一歩抜きん出ている。どのグレードでも共通するのは、助手席に座っただけでも伝わってくる高剛性ボディと、しっとりとした仕立てのキャビン。オンロードでの乗り心地にも優れ、全方位的な完成度の高さに惚れ込んだ者も多い(永野正雄、日下部保雄、金子浩久)。
そしてもうひとつ特筆すべきは、その佇まいに漂う“品の良さ”。「冒険的な楽しさを明快に体現する」(武田公実)圧倒的な機能性と高性能を備えながらも、「奥ゆかしい佇まい」(藤島知子)を保っている。その慎ましさは、まさに英国車らしい美学のあらわれだといえるだろう。
いまのディフェンダーは、SUVというジャンルの本質を改めて問い直す存在だ。確かに価格は手頃とは言いがたいが、それでもなお多くの人々に選ばれ続ける理由は明快。ディフェンダーは“オフローダー風SUV”ではない。本物の悪路走破性を土台に、洗練された快適性、重厚かつ気品あるデザイン、そして高度な機能性と個性を兼ね備えた、唯一無二の存在なのである。
文=桐畑恒治 写真=篠原晃一
■ランドローバー・ディフェンダー(オクタ含む)
全長×全幅×全高=4945×1995×1970mm。ホイールベース=3020mm。車両重量=2270kg。車両価格=855万円~(いずれも110 X-Dynamic SE P300ガソリン仕様)。パワートレインは3リッターの直6ガソリン/ディーゼルMHEVと2種類の5リッター V8ガソリンが用意され、いずれも8段ATで4輪を駆動する。
■ランドローバー・ディフェンダーにはなんと20人が投票!
207pt/桐畑18pt+高平18pt+藤島17pt+佐藤16pt+九島15pt+武田15pt+吉田(拓)15pt+斎藤(慎)14pt+小川12pt+永野12pt+佐野10pt+藤野10pt+菰田8pt+金子7pt+西川7pt+大谷5pt+日下部3pt+村山3pt+塩澤1pt+田中1pt
■ディフェンダーに投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック!
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