2025.08.22

CARS

ここまで来たか!軽自動車 4代目、日産ルークスのプロトタイプに乗る

従来の軽自動車を超えた上質な乗り心地を実現した新型日産ルークス。

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何十年ぶりかで軽自動車に乗る機会を得た。乗ったのは今年9月に発売される日産ルークスのプロトタイプ。場所は、もっか話題の日産追浜工場の中にあるグランドライブである。で、その進化ぶりに、正直に言って、少なからず驚かされた。

実用一辺倒な乗り物?

何しろ、私の記憶にある軽自動車といえば、1980年代前半、免許取り立ての頃に家にあったスバル・レックス・コンビ。ナンバーのみならずボディも黄色の、なんの素っ気もない商用車だった。釣り好きの父親が、これをもっぱらひとりで海釣りに出かけるために使っていたのだ。

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エアコンもなく、付いている贅沢品といえばラジオのみ。それさえ外して値引きしろと、ケチな父親が無茶な交渉をセールスマン相手にしていたのを思い出す。以来、軽自動車とはそういう簡素極まりないオシャレとは無縁な実用一辺倒な乗り物だという固定観念が、わたしの脳裏には焼き付いていたのだ。

進化した4代目

ところが、2009年の初代発売以来、進化を続けてきて、これで4代目という新型ルークスは、その固定観念を根底から覆すくらいオシャレな見た目と上質な室内空間を持ち、さらに実用性の面でも様々な工夫が凝らされた乗り物だった。

まずはデザイン。「Roomy×Max」に由来するという車名の通り、軽自動車規格の中で最大限の大きさを使った真四角な箱型としながらも、その角を取り、丸くした「かどまる四角」のモチーフを、ボディはもちろん、前後のライトまわりやラジエター、ドアハンドル、ホイールなど随所に用いることで、写真でご覧の通り、上手にオシャレ感を演出している。

ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション

ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション

ボディカラーにも、「セラドン(青磁)グリーン」「シナモンラテ」「フローズンバニラパール」といった、明るく軽やかな印象の新色が採用されたのに加えて、ボンネットを含むベルトラインから上と下とで塗り分ける2トーンカラーが設定された。上半分がフローズンバニラパール、下がホワイトパールに塗り分けられた試乗車は、見るからに実用一辺倒とは違うオシャレ感を発散していた。

運転席はまるで格上のプレミアム・カー

乗り込んでみると、まず目に飛び込んできたのが、コクピットにドンと広がるウルトラワイド・フラット・ディスプレイである。センターコンソールのエアコンなどのスイッチ類も、すべてブラック・パネルのタッチスイッチになっている。ステッチが施されたフェイク・レザーを使ったステアリングホイールの手触りも素晴らしく、運転席にいると、まるでずっと格上のプレミアム・カーに乗っているみたいな気分になる。

ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション

その一方で、実用性についての工夫にも抜かりはなく、室内長は先代より115mm拡大したクラストップの2315mm。後席スライド・ドアの開口幅もクラストップの650mmになっているという。後席ニールームもクラストップの広さで、実際に腰掛けてみると、膝の前には拳5つ分ほどの余裕があった。ただし、それは最大320mmスライドさせられる後席を後ろまで下げた場合で、その分、荷室は小さくなる。逆に後席を前に出せば荷室の最大長は675mmとなり、48リッターのスーツケースが4個積める広さが確保されるというのだ。

ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション

ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション

ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション

運転席からの見晴らしがいいのも特筆ものだと思った。アイポイントの高さは、これまたクラストップの1370mmだという。先代よりAピラーを8度立てたことも手伝ってか、まるで観光バスの最前列に乗っているようなパノラマ・ビューが目の前に広がっている感じだ。

シートも、触り心地が良く、体圧が分散してロングドライブでも疲れにくいものにしたという話で、実際に腰掛けてみても、なるほど、軽自動車にしてはなかなか頑張っているとは思ったが、こればっかりは上級車と比べると劣っていると言わざるを得ないと思った。全体的に柔らかすぎて、走っている時のことより、止まっている時の心地よさを優先している気がする。もっと硬くしないと、走行時にはしっかりと体を支えられないだろう。

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