2025.08.24

CARS

「プロジェクト:エンデュランス」が始動 マクラーレンのル・マン用ハイパー・カーが手に入る

マクラーレンのル・マン用ハイパー・カーが自分のものに!?

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マクラーレンが、ル・マン24時間で発表したカスタマー向けル・マン・ハイパー・カーをモンテレー・カー・ウィークで披露。このマシンを所有できるプログラム「プロジェクト:エンデュランス」も公開された。

マクラーレン・オレンジをまとってF1、ル・マン、インディ制覇をもくろむ

登場したマシンのカラーリングは、1974年のインディ500で、テキサス出身のローンスターJRことジョニー・ラザフォードが勝利を収めたマシン、M16をイメージしている。



マクラーレンのイメージ・カラーであるオレンジをベースに、テキサスの州旗にインスパイアされたダーク・ブルーのセンター・ストライプを加え、ルーフには同じ由来のひとつ星が入る。





マクラーレンは、1984年にアラン・プロストのMP4/2がF1モナコ・グランプリを征し、1995年に関谷正徳/J.J.レート/ヤニック・ダルマス組のマクラーレンF1 GTRがル・マンでも勝利。いわゆるトリプル・クラウンを達成した。

今回のニュー・マシンは2027年のWECデビューを計画しており、単一シーズンでのトリプル・クラウンという偉業を目指す。3大レース制覇の出発点となったM16のカラーリングでのル・マン・ハイパー・カーお披露目には、そんな野望が込められている。



この正真正銘のル・マン・ハイパー・カーのオーナーになることができる稀有な機会が「プロジェクト:エンデュランス」だ。

しかもマシン・オーナーになると、世界の有名サーキットで実施されるサーキット走行イベントに参加できるだけではなく、WEC参戦に向け準備中のマクラーレン・ユナイテッド・オートスポーツの活動を間近で目にしたり、チームのドライバーや重要人物に接したりすることもできる、という。

サーキット走行プログラムは2年間を予定しており、走行時にはレースのプロによるコーチングや、レース・エンジニアとピット・クルーのサポートが受けられる。そうしてオーナーは、自身のハイパー・カーを掌握し、自身の限界をスポーツカー・レースの頂点へ向けて高めていくことができる、というのがマクラーレンの売り文句だ。

近年、こうしたユーザー参加型プログラムを実施するスーパーカー・メーカーが増えている。オーナーを募ることで、メーカーの金銭的負担を多少なりと軽減するほかにも、生産台数や走行機会を増やすことによるデータの蓄積や、ジェントルマン・ドライバーに向けたマシン・セッティングのノウハウ獲得など、メリットが多いのだろう。



いっぽう、顧客はめったに触れることのない最新レーシング・カーを、自分のものとして走らせ、チームの一員になった感覚も味わえる機会に喜んで対価を支払う。大口スポンサーを見つけにくくなったレースの世界を救うのは、こうした富裕層相手の草の根営業なのかもしれない。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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