2025.08.31

CARS

“春”を表現したロールス・ロイスのビスポークが受注開始に 3台の「スペクター・インスパイアード・バイ・プリマヴェーラ」

春を迎えるころに届けられる“桜”をモチーフとした3台のロールス・ロイス。

全ての画像を見る
このところ、ビスポークモデルの公開を続けているロールス・ロイス。その最新作は、BEVの「スペクター」をベースに、春の儚い美に着想を得たという「インスパイアード・バイ・プリマヴェーラ」だ。異なる角度からイタリア語の“春”、つまり“プリマヴェーラ”を表現したという3台で構成されるシリーズである。

春の桜から連想される名


この3台は、それぞれエヴァネッセント(儚さ)、レヴェリー(幻想)、ブロッサム(花)と名付けられた。共通するのは、ビスポーク・デザイナーの手描きをデジタル化した桜のモチーフ。



エクステリアでは、満開の桜の枝を描いたコーチ・ラインや、咲き誇る花をイメージしたデザインで、センターにボディ・カラーを配した23インチの専用ホイールが目を引く。



インテリアは、車名を刻んだイルミネーテッド・トレッド・プレートや、彫刻的な花びらの刺繍をヘッドレストに施したシートを採用。ダッシュボードとセンター・コンソールはブラック・ウッドで、大きく枝を広げ咲き誇る桜が、37種類の密度のレーザーを使い分けて刻まれる。仕上げのために、そのディテールを損なわない特別な研磨工程も開発したという。



また、4796個のイルミネーションを手作業で配置したスターライト・ドアと、5500個以上の星を抽象的に表し、スペクターのロゴを際立たせるイルミネーテッド・フェイシアを装備。北半球の春の夜空にインスピレーションを得て、しし座とおとめ座、うしかい座の明るい星が描き出す春の大三角形もデザインに加えられた。




3つのモデルのうちエヴァネッセントは、クリスタル・オーバー・アークティック・ホワイトのボディにコーチ・ラインが入り、ブレーキ・キャリパーはトゥルケーゼ(ターコイズ)に。インテリアは、グレース・ホワイトとトゥルケーゼをベースに、イエロー系のシャルトルーズの細いパイピングを加えた。



レヴェリーは、ダックエッグ・ブルーのボディに、フォージ・イエローのディテールを加えた。インテリアはグレース・ホワイトとチャールズ・ブルーに、フォージ・イエローのアクセントを利かせている。



ブロッサムのエクステリアは、ヴェルヴェット・オーキッド・メタリックにフォージ・イエローの組み合わせ。インテリアはグレース・ホワイトとピオニー・ピンクのデュオ・トーンを、フォージ・イエローのパイピングが彩る。

これまでに発表された数台のビスポーク・モデルは、オーダーメイドによるワンオフだったが、今回のスペクター・インスパイアード・バイ・プリマヴェーラは、ロールス・ロイスが厳選したカスタマイズ・プランを提案するもので、いわばキュレーション・モデルだ。



2026年初旬まで注文を受け付け、春までには納車を開始するという。自分のセンスにそこまでの確たる自信はないけれど、人とは違うものがほしい、というなら、うってつけではないだろうか。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement