2025.09.16

CARS

これがメルセデス・ベンツの新世代フェイス【航続距離700km以上】GLCウィズEQテクノロジーがデビュー

ベンツの新世代顔はエンブレムどころかグリル全体が光る!

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メルセデス・ベンツが「GLCウィズEQテクノロジー」を、ミュンヘンで開催されたIAA、ドイツ国際モーターショーで公開した。

同じGLCの名でも、電気自動車と内燃エンジン車は別物


このニュー・モデルはメルセデス初の量販電気自動車である「EQC」の後継モデルに相当し、同社のベスト・セラーの名を受け継ぐことになった。



EQCは先代GLCの“MRAプラットフォーム”をベースとしていたが、今回はBEV専用プラットフォームの“MB.EA”がベースとなる。すなわち、MRA2プラットフォームに内燃エンジンを積む現行のGLCとは、直接的な関連のないモデルということだ。



車体サイズは全長×全幅×全高が4845×1913×1644mm、ホイールベースは2972mmで、おおよそ全長は130mm、全幅は20mm、ホイールベースは80mmほど内燃エンジンのモデルを上回る。

スタイリングは、EQ系の独特なデザインだったEQCと異なり、内燃エンジン・モデルのディテールを手直ししたようなルックス。



とはいえ、そのディテールがなかなか印象的だ。もっとも目立つのはグリルだろう。メルセデスの象徴的なアイテムを再解釈したそれは、ポリカーボネートに942個ものドット状バックライトを組み込み、オプションでは動くグラフィックを投影する仕様も用意する。Cd値は0.26と、空力性能も高い。



イルミネーションは、センターのエンブレムにも仕込まれた。またヘッドライトは、最近のコンセプト・モデルに見られるスリー・ポインテッド・スター型LEDを装備。



今後、各モデルへの導入が予想されているアイテムだ。



同様のモチーフはテールライトにも用いられるが、これは現行Eクラスにも見られるデザイン要素。グリルと同じく、解錠時や充電時にグラフィックが動く仕様がオプション設定される。



インテリアでは、オプションながらMBUXハイパー・スクリーンが圧巻のアイキャッチ。ダッシュボードのほぼ全面を覆うディスプレイは39.1インチと巨大で、全幅993mmに達する。アンビエント・ライトが演出する、宙に浮いたようなヴィジュアルも斬新だ。標準仕様は運転席前が10.3インチ、センターが14インチの2分割。これに助手席前の14インチを加えた3分割のMBUXスーパースクリーンも選択できる。





キャビンのスペースは内燃エンジン・モデルより拡大し、レッグ・ルームは前席が13mm、後席が47mm伸びた。ヘッド・ルームは前席が46mm、後席が17mm広がったが、これは調光ガラスの採用で物理シェードが不要になったパノラミック・ルーフの恩恵でもある。このルーフには、9分割調光式のスカイ・コントロールと呼ばれるオプション仕様も存在し、64色調整式のスター・パターンを162個映し出すアンビエント・ライトも設定される。





荷室容量は570〜1740リットルで、内燃エンジン・モデルの560〜1680リットルよりやや大きい。さらに、フロントにも100リットルの収納スペースが設けられる。

全5機種が投入される予定の電気自動車版GLCだが、まず発売されるのはGLC400 4マチックで、最高出力は360kW(約489ps)。リア・モーターには2段トランスミッションを装備し、発進や牽引などで力を発揮する11:1と、高速走行時の効率を高める5:1を切り替える。

0-100km/h加速は4.3秒、最高速度は210km/hと、ハイ・パフォーマンスな電気自動車を見慣れた目には控えめに映るが、最長713kmという航続距離には軽い驚きを覚える。



バッテリーは、実用容量が94kWhで、800Vシステムの採用で最大330kWの急速充電が可能。10分以内に、300km走行分に相当する電力を補充できる。回生能力も、最大300kWと高い。

Car-to-Xを活用した予測型の減衰力調整など、先進技術を数多く導入する電動版GLCは、欧州では2026年の第1四半期に発売される。



欧州ではEVシフト停滞の余波を受けて、電気自動車と内燃エンジン車の命名規則の変更が続出しているが、モデル・レンジを明解にするものもあれば、むしろ分かりにくくするものもある。メルセデスは、どちらの道に進むのだろうか。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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