2025.09.19

CARS

あのイタルデザインの最新作「EVX」の目的とは? フォルクスワーゲンがプラットフォームを外部へ供給か

イタルデザイン製SUV登場! すぐにでも市販車としてデビューしそうな完成度だが……

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イタルデザインがIAA、ドイツ国際モーターショーで、スタディ・モデルの「EVX」を発表した。フォルクスワーゲンの電気自動車専用プラットフォーム、“MEB+(プラス)”をベースとしたクーペSUVだ。

あくまでもコンセプト、なのだが……


EVX は3ドアの2+2で、車体サイズは全長×全幅×全高が4230×1820×1490mmで、ホイールベースは2600mmと、T-ロックの全高を100mmほど低くしたようなサイズ感だ。



同じ場で公開されたIDポロやIDクロスなどで構成されるエレクトリック・アーバンカー・ファミリーの枠内で、既存モデルと異なるボリューム感やプロポーションを模索するのが狙いである。



それを可能にするのが、フォルクスワーゲンのプラットフォーム、“MEB”の柔軟性や拡張性だ。同社は「VWプラットフォーム・ビジネス」と銘打った事業で、MEBのOEM展開を計画している。

現在フォルクスワーゲン・グループに属するイタルデザインは、このプラットフォーム・ビジネスに乞われ、グループ外へのOEMへの順応性を探る役割を担ったというわけだ。

EVXは市販を前提としたものではなく、量産ラインナップにないスタイリングやフォーマットの提案だという。



EVXはまた、イタルデザインの複雑なデザインにおける全般にわたる素早いアプローチを示す狙いもある。コンピュータ支援によるスタイリングの、タイトなスケジュールの中で、コンセプト段階のヴィジョンを複雑な3Dモデルへ落とし込める、先進的モデリングの可能性もアピールするものだ。

フォルクスワーゲン・グループにおけるイタルデザインの役割は、デザインやエンジニアリングのCoE(センター・オブ・エクセレンス)であることに加え、グループと外部メーカーとの橋渡しというわけだ。EVXは、それをアピールするものでもある。



EVシフトの遅れは、電気自動車用プラットフォームの開発コスト償却の予定も狂わせるもので、OEM供給はその不足を補う有力な手段だ。そうなると、フォルクスワーゲン・グループがイタルデザインにかける期待は、今後ますます大きくなっていきそうだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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