高級時計のブランドは数多くあるが、その中でも「3大ブランド」または「雲上ブランド」と称されるブランドがある。それが、「ヴァシュロン・コンスタンタン」、「パテック・フィリップ」、「オーデマ・ピゲ」だ。この3つのブランドの共通点とは何なのだろうか。
高級時計を代表する3つのブランド
高級時計の3大ブランドである「ヴァシュロン・コンスタンタン」、「パテック・フィリップ」、「オーデマ・ピゲ」は、歴史が長いことが共通点だ。それぞれのブランドの創業年は次のとおりとなっている。
・ヴァシュロン・コンスタンタン:1755年(2025年時点で創業270年)
・パテック・フィリップ:1839年(2025年時点で創業186年)
・オーデマ・ピゲ:1875年(2025年時点で創業150年)

いずれも150年以上の歴史がある。また、歴史が長いだけでなく、高い技術力で時計業界に影響を与えたことも3大ブランドの共通点だ。
複雑機構を手のひらの中に収めた「ヴァシュロン・コンスタンタン」
1755年に創業し、2世紀以上の歴史があるヴァシュロン・コンスタンタンは、60を超える複雑機構を手のひらに収まる懐中時計にしてしまうほどの高い技術力を持つ。この構造が複雑な時計を実際に作ってしまう技術力の高さは、ヴァシュロン・コンスタンタンならではといえるだろう。
リューズでゼンマイを巻き上げる機構を生み出した「パテック・フィリップ」
1839年に創業したパテック・フィリップは、高級時計をはじめとする機械式時計のゼンマイの巻き上げをリューズでできるようにした。今やリューズによるゼンマイ巻き上げは機械式時計に当たり前に備わっているが、これはパテック・フィリップのおかげといえるだろう。また、高級時計の永久カレンダーもパテック・フィリップが世界で初めて世に送り出した。
自動巻きトゥールビヨンを開発した「オーデマ・ピゲ」
1875年創業のオーデマ・ピゲは、自動巻きトゥールビヨンや薄型ムーブメント、ミニッツリピーターといった複雑機構など、時計の心臓部ともいえる「ムーブメント」において革新を成し遂げてきた。
今の高級時計の基礎となる技術を発明したブランドが時計3大ブランド
ヴァシュロン・コンスタンタン、パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲは、今の高級時計に欠かせない複雑機構や高い技術の基礎を作り上げてきた歴史がある。

この技術力の高さの他にも3大ブランドと言われる理由はあるが、いずれにしても、この優れた技術があるからこそ今でも最上級のブランドとして高く評価されていると言えるだろう。
文=齊藤優太(ENGINE編集部)
(ENGINE Webオリジナル)