2025.09.28

CARS

“ツェッペリン”の栄光を偲ぶ職人技【世界限定50台】V12搭載で24金のエンブレムを掲げるマイバッハ

これぞ究極のマイバッハか!?

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メルセデス・ベンツが、メルセデス・マイバッハV12エディションを発表。世界50台の限定車で、往年の“マイバッハ・ツェッペリン”へのオマージュを込めたS680の特別なモデルだ。

オマージュしたのはそのルーツ


エンジンはもちろんV12で、最高出力/最大トルクは612ps/900Nmの6ℓツイン・ターボ。トランスミッションは9段ATで、4WDシステムの4マチックも搭載する。

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専用のバッジは、マイバッハのエンブレムと、ゴールドにクローム文字の12をあしらったメダルを組み合わせるが、これは1930年代の「マイバッハ・ツェッペリンDS8」に用いられた、フード・マスコットがモチーフだ。



バッジにはV字パターン、周囲のリングには12個の輪がそれぞれ刻まれる。素材はなんと、どちらも24金だ。

メカニズムは、ほぼフル装備のS680。シャシーには、後輪操舵やアクティブ・サスペンションのE-アクティブ・ボディ・コントロールを搭載。電動リア・ドアから乗り込むただでさえ静かな室内には、アクティブ・ノイズ・キャンセラーも備わる。アダプティブMBUXは、5つもの大型OLED画面により、車両や快適装備のコントロールを容易にしてくれる。



エクステリアは、ハイエンド・モデルを対象とするパーソナライゼーション・プログラム、マヌファクトゥーア仕様のオリーブ・メタリック/オブシディアン・ブラックのデュオ・トーンで、境界にはシルバーのピン・ストライプが走る。このペイントだけで、通常のデュオ・トーンの倍となる10日間の作業が必要だとか。ホイールは5ホール・デザインの鍛造で、オリーブ・グリーンに塗装されている。



インテリアのナッパレザーも、マヌファクトゥーア仕様のサドル・ブラウンで、ウッド・トリムは高輝度ブラウンのバーウォールナット。この組み合わせのステアリング・ホイールだけでも、長時間にわたる精密な手作業で仕立てられている。サドル・ブラウンのルーフライナーには、ダイヤモンド・キルト仕上げだ。



センター・コンソールは、前席側には1 of 50のプレートが埋め込まれ、後席側には専用エンブレムと、それを囲む12個のリングの象嵌細工が施される。これだけでも、7日間を作業に費やしている。



付属アイテムも豪華だ。銀製品で有名なドイツのロベ&バーキング製シャンパン・フルートには、専用のエングレーブで飾られ、トランク・マットはサドル・ブラウンの縁取りでインテリアとコーディネート。キーは、専用キー・ホルダーとともに、ジンデルフィンゲンのマヌファクトゥーア部門で手作りされたギフト・ボックスに収められている。

マイバッハといえば、ツェッペリン伯爵が開発した飛行船に積むV12エンジンを製造する会社がルーツで、1928年にドイツ初のV12搭載車を発表したメーカーだ。7リットル・エンジンを積むこのマイバッハV12の発展型が、1930年の「ツェッペリンDS7」で、さらに8リットル版の「DS8」も登場した。



2002年に、当時のダイムラー・クライスラーが復活させたマイバッハ・ブランドも全車V12モデルだったが、2009年に追加されたその高性能版にも“ツェッペリン”の名は用いられた。



今回、ブランドにとって大きな意味を持つその名前は用いられなかったが、伝統のV12エンジンを讃えるモデルに精神は受け継がれている。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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